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問題7|第22回 精神保健福祉士 国家試験 ①精神疾患とその治療

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

問題 7 次のうち,抗精神病薬の主な副作用として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 健忘
  2. 脱抑制
  3. 身体依存
  4. 反跳性不安
  5. 遅発性ジスキネジア

設問について

抗精神病薬とは?

抗精神病薬は統合失調症の治療の中心となる薬で、主として脳内のドーパミン神経の活動を抑えることにより、幻覚や妄想、考えをうまくまとめられない、気持ちをうまく表現できない、意欲がわかないなどの症状を改善し、また再発を防ぐ効果があります。

大塚製薬|すまいるナビゲータ | 統合失調症のお薬について(薬の種類や副作用の解説)

抗精神病薬は,神経伝達物質受容体に対する特異的な親和性と活性に基づいて,従来型抗精神病薬および第2世代抗精神病薬(SGA)に分類される。

抗精神病薬 – 08. 精神障害 – MSDマニュアル プロフェッショナル版

主な抗精神病薬の副作用

錐体外路症状
ドーパミン神経の過剰な遮断によって、日常の動作が障害されてスムーズな体の動きができなくなります。

パーキンソン様症状
体がうまく動かない、手がふるえる、体が前かがみになって小刻みに歩く、など

ジストニア
目が上を向く、ろれつがまわらない、首が反り返る、体が傾く、など

アカシジア
足がむずむずする、絶えず歩き回る、足を落ち着きなく揺らす、など

ジスキネジア
無意識に口が動く、手足が勝手に動く

流涎(りゅうぜん)
よだれが多量に出る

悪性症候群
急に高熱(38℃以上)が出て下がらない、汗を多くかく、脈が速くなる、筋肉のこわばりが強くて動けない、意識がもうろうとするといった症状が現れることがあります。発症率は、抗精神病薬を使っている人の1%未満とまれですが、放置すると死に至る危険性もある重い副作用です。現在では有効な治療方法が確立していますので、速やかに受診して医師の指示に従いましょう。

体重が増える
抗精神病薬の中には、服用することで食欲を亢進させて体重を増やしてしまうものがあります。精神疾患にかかると、食生活や生活習慣が乱れたり、運動不足になることがありますので、日常の食事や運動などで体重コントロールを心がけましょう。

糖尿病
抗精神病薬の中には、糖尿病の人には使用できないものがあります。自分や家族が糖尿病を患っている人は、必ず医師に伝えてください。短期間に急激に体重が増えた、のどが渇く、砂糖を多く含む清涼飲料水をたくさん飲むようになった、おしっこの量・回数が増えた、などは糖尿病が疑われるため速やかに受診して検査を受けましょう。

脂質異常症(高脂血症)
患者さんの体質や抗精神病薬の特性によって、血清脂質値の異常が現れる可能性があります。脂質異常症は心臓病や動脈硬化の危険因子です。統合失調症の患者さんは、喫煙、肥満、糖尿病といった危険因子をすでにもっている場合がありますから特に注意が必要です。

統合失調症とメタボリックシンドローム
精神疾患にかかっているとメタボリックシンドローム(メタボ)になりやすいことが知られています。病気のために食生活や生活習慣が乱れがちになったり、健康への関心が低下してしまったり、また、抗精神病薬の中にはメタボを引き起こす可能性のあるものもあります。
定期的に体重を測定したり、血液検査を受けて、メタボチェックを続けましょう。

大塚製薬|すまいるナビゲータ | 統合失調症のお薬について(薬の種類や副作用の解説)

各選択肢について

選択肢1:健忘

健忘とは、きっかけとなった出来事の数秒前、数日前、さらに前、またはその後に起こった体験や出来事を思い出す能力が部分的または完全に失われる障害です。

健忘 – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 – MSDマニュアル家庭版

選択肢2:脱抑制

薬物やアルコールといった外的な刺激によって抑制が効かなくなった状態のこと。

脱抑制とは、状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態のことを指します。脳の外傷、特に前頭葉の損傷では共通した症状としてみられるほか、せん妄、躁状態、薬物・アルコールの影響下にある人にも認められます。

脱抑制 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

選択肢3:身体依存

薬物の摂取をやめると、離脱症状と呼ばれる身体の症状が起こる状態のこと。

耐性や精神依存が生じた状態で、多量の依存性薬物を連用するようになると、やがて身体依存が形成されます。

もともと体は依存性薬物を摂取した状態では呼吸や脈拍などの機能に影響を受けます。ところが身体依存の状態になると、薬物を摂取した状態が普通の状態であると身体がみなすようになり、その薬物が体内にあっても身体が正常に機能するようになります。そして逆に、薬物が切れると離脱症状と呼ばれる症状が現れるようになります。

身体依存 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

選択肢4:反跳性不安

ベンゾジアゼピン系抗不安薬では、突然服用を中止すると服用前より強い不安が現れるようになるらしい。
「反跳性不眠」の記事はたくさんあったけど、「反跳性不安」についての良記事が見当たらなかったので、下記を引用。

反跳性不眠(はんちょうせいふみん)
ベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用することによって、ほぼ満足できる睡眠が得られるようになった段階で、突然服用を中止すると服用前より強い不眠が現れるようになる。これを反跳性不眠といい、一般に作用時間の短い薬剤ほど出現しやすい。

反跳性不眠|睡眠用語辞典|不眠・眠りの情報サイト スイミンネット

選択肢5:遅発性ジスキネジア

前述の通り、「無意識に口が動く、手足が勝手に動く」ジスキネジアは、抗精神薬の副作用のひとつ。

正答

正答:5(遅発性ジスキネジア)

第22回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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