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問題11|第23回 精神保健福祉士 国家試験 ②精神保健の課題と支援

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

問題11 次の記述のうち、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」に示されている内容として、正しいものを2つ選びなさい。

  1. うつ病に伴う不眠症状では、睡眠による休養感の欠如が最も特徴的である。
  2. 成人してから加齢するにつれて夜間の睡眠時間が増加する。
  3. 蓄積された睡眠不足に伴う作業能率は「寝だめ」で十分回復する。
  4. 睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする。
  5. 眠くなくても、寝床に入る習慣をつける。

設問について

睡眠についての理解が問われる問題。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」は一読しておきたい。

こっちにも↓出ている
厚生労働省>生活習慣病予防 > 睡眠対策

各選択肢について

選択肢1:うつ病に伴う不眠症状では、睡眠による休養感の欠如が最も特徴的である。

うつ病になると 9 割近くの人が何らかの不眠症状を伴い、中でも睡眠による休養感の欠如は、最も特徴的な症状と考えられています。また、不眠の症状がある人は、うつ病にかかりやすいということも知られるようになりました。うつ病に限らず、睡眠時間が不足していたり、不眠症のため寝床に就いても眠れなかったりして、睡眠による休養感が得られなくなると、日中の注意力や集中力の低下、頭痛やその他のからだの痛みや消化器系の不調などが現れ、意欲が低下することが分かっています。

同上

選択肢2:成人してから加齢するにつれて夜間の睡眠時間が増加する。

×

夜間に実際に眠ることのできる時間、つまり一晩の睡眠の量は、成人してからは加齢するにつれて徐々に減っていきます。夜間の睡眠時間は 10 歳代前半までは 8 時間以上、25 歳で約 7 時間、その後 20 年経って 45 歳には約 6.5 時間、さらに 20 年経って 65 歳になると約 6 時間というように、健康で病気のない人では 20 年ごとに 30 分ぐらいの割合で減少していくことが分かっています。一方で、夜間に寝床で過ごした時間は、20〜30 歳代では 7時間程度ですが、中年以降では長くなり、75 歳では 7.5 時間を越えます。

昔から、年をとると徐々に早寝早起きの傾向が強まり、朝型化することが知られていますが、加齢による朝型化は男性でより強いことが分かっています。

同上

選択肢3:蓄積された睡眠不足に伴う作業能率は「寝だめ」で十分回復する。

×

睡眠不足が長く続くと、疲労回復は難しくなります。睡眠不足による疲労の蓄積を防ぐためには、毎日必要な睡眠時間を確保することが大切です。睡眠の不足を休日などにまとめて解消しようとすることを「寝だめ」と呼ぶことがあります。しかし、沢山眠っておくとその後の睡眠不足に耐えられるということはなく、「睡眠」を「ためる」ことはできません。睡眠不足が蓄積されてしまうと、休日にまとめて睡眠をとろうと試みても、睡眠不足による能率の低下をうまく補うことはできません。また、睡眠不足の解消のために、休日に遅い時刻まで眠っていると、光による体内時計の調整が行われないために生活が夜型化して、日曜の夜の入眠困難や月曜の朝の目覚めの悪さにつながります

同上

選択肢4:睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする。

×

就寝前にリラックスすることは入眠を促すために有効です。一方、就寝前の飲酒や喫煙はかえって睡眠の質を悪化させるため、控えた方がよいでしょう。睡眠薬代わりに寝酒を飲む習慣を持っている人が男性で多いことがわかっています。アルコールは、睡眠薬代わりに少し飲んでいる場合でも、慣れが生じて量が増えていきやすいことが知られています。アルコールは、入眠を一時的には促進しますが、中途覚醒が増えて睡眠が浅くなり、熟睡感が得られなくなります。また、ニコチンには覚醒作用があるため、就寝前の喫煙は入眠
を妨げ、睡眠を浅くします。

同上

選択肢5:眠くなくても、寝床に入る習慣をつける。

×

寝つける時刻は季節や日中の身体活動量などにより変化し、一年を通じて毎日同じ時刻
に寝つくことが自然なわけではありません。就寝する 2〜3 時間前の時間帯は一日の中で最
も寝つきにくい時間帯です。不眠を経験すると、心配になって早くから寝床に就こうとし
がちですが、意図的に早く寝床に就くと、かえって寝つきが悪くなります。就床時刻はあ
くまで目安であり、その日の眠気に応じて「眠くなってから寝床に就く」ことがスムーズ
な入眠への近道です。

眠たくないのに無理に眠ろうとすると、かえって緊張を高め、眠りへの移行を妨げます。
自分にあった方法で心身ともにリラックスして、眠たくなってから寝床に就くようにする
ことが重要です。特に、不眠を経験し「今晩は眠れるだろうか」という心配を持ち始める
と、このことによって緊張が助長され、さらに目がさえて眠れなくなってしまいます。つ
まり、不眠のことを心配することで不眠が悪化するのです。

同上

正答

1(うつ病に伴う不眠症状では、睡眠による休養感の欠如が最も特徴的である。)
4(睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする。)

第23回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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