こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題28 ジェネラリスト・ソーシャルワークの成り立ちに影響を与えたモデルやアプローチに関する次の記述のうち、最も時期が古いものとして、適切なものを1つ選びなさい。
- クライエントと地域社会が有する問題解決能力の強さを評価し、積極的に活用しようとするストレングスモデルが提唱された。
- ソーシャルワークの共通基盤を確立した上で、そこから全体を特質づける枠組みを再構築するジェネラリストアプローチにより統合化が進んだ。
- エコロジカル・ソーシャルワークが台頭し、人と環境の相互作用に焦点を当てた生活モデルが提唱された。
- 社会的に不利な状況に置かれた人の自己決定の能力や主張性を高め、主体的にその状況に働きかけ、改善するエンパワメントアプローチが台頭してきた。
- 「状況の中の人」に焦点を当てて、クライエントの問題状況を捉える心理社会的アプローチが提唱された。
設問について
相談援助の形成過程、特にソーシャルワークの源流と形成過程についての理解が問われる問題。
各選択肢について
選択肢1:クライエントと地域社会が有する問題解決能力の強さを評価し、積極的に活用しようとするストレングスモデルが提唱された。
×
ストレングスモデルが提唱され台頭したのは1980年代。
実践モデルは、医学(治療)モデル⇒生活モデル⇒ストレングスモデル、と発展してきた。
中央法規当該科目テキスト第2版p112等。
選択肢2:ソーシャルワークの共通基盤を確立した上で、そこから全体を特質づける枠組みを再構築するジェネラリストアプローチにより統合化が進んだ。
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アメリカでは、1970年代から多様なアプローチや領域ごとに分化したソーシャルワークを包括的に捉える枠組みが模索されていた。システム論的な視点が導入されて、一元的・統合的・全体的・包括的な枠組みが強調されるようになり、ジェネラリスト・ソーシャルワークと呼ばれるようになった。
中央法規当該科目テキスト第2版p127等。
選択肢3:エコロジカル・ソーシャルワークが台頭し、人と環境の相互作用に焦点を当てた生活モデルが提唱された。
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生態学の理論と結び付けてエコロジカル(生態学的)な視点を取り入れた生活モデルという考え方が、ジャーメインやギッターマンによって提唱されたのは、1980年。
中央法規当該科目テキスト第2版p260等。
選択肢4:社会的に不利な状況に置かれた人の自己決定の能力や主張性を高め、主体的にその状況に働きかけ、改善するエンパワメントアプローチが台頭してきた。
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1976年にソロモンが『ブラック・エンパワメント』を著し、エンパワメント・アプローチが現代ソーシャルワークにおける実践モデルとして台頭してきた。
中央法規当該科目テキスト第2版p261等。
選択肢5:「状況の中の人」に焦点を当てて、クライエントの問題状況を捉える心理社会的アプローチが提唱された。
〇
心理社会的アプローチを確立したホリスは、1964年の著書『ケースワーク』で心理的な側面と社会的な側面をともに視野に入れ、ソーシャルワークにおいては人と状況とそれらの相互作用の三重の相互関連性こそが重要性であるとして、状況の中にある人を中心概念として位置付けた。
正答
5(「状況の中の人」に焦点を当てて、クライエントの問題状況を捉える心理社会的アプローチが提唱された。)