こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題1 次のうち、1995年(平成7年)の「精神保健福祉法」への改正の内容として、正しいものを1つ選びなさい。
- 通院医療費公費負担制度の新設
- 任意入院制度の新設
- 精神医療審査会制度の新設
- 保護者制度の廃止
- 精神障害者保健福祉手帳制度の新設
(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
設問について
「精神保健福祉法」の改正の経緯についての理解が問われる問題。
精神保健行政の歴史的展開と併せて知っておきたい。
各選択肢について
選択肢1:通院医療費公費負担制度の新設
×
通院医療費公費負担制度が新設されたのは、1965年、精神衛生法の改正時。
通院医療等の費用を補助することで、精神障害者の経済的事情による医療や服薬の中断、症状の再燃や悪化の防止が目的。
経緯
1950年 精神病者監護法と精神病院法廃止、精神衛生法制定
1965年 精神衛生法改正、通院医療費公費負担制度の新設
2006年 障害者自立支援法施行、当該制度廃止⇒自立支援医療へ移行
選択肢2:任意入院制度の新設
×
任意入院制度の新設は、1987年、精神衛生法から精神保健法への改正時。
精神衛生法上の入院形態は、措置入院・同意入院・仮入院のみだった。
1984年、宇都宮事件を契機に日本の精神医療制度が国際的に批判され、1987年に精神衛生法から精神保健法に改正、任意入院が規定され、同意入院は医療保護入院と名称が改められた。
- 措置入院:自傷他害の恐れのある人を都道府県知事の権限で入院させる
- 同意入院:保護義務者の同意で入院させる
- 仮入院:本人の同意がなくても3週間を限度として入院させる
選択肢3:精神医療審査会制度の新設
×
精神医療審査会制度の新設は、1987年、精神衛生法から精神保健法への改正時。
任意入院、精神保健指定医制度の発足とならび、法改正の目玉。
精神医療審査会役割は、入院の必要性や処遇の妥当性を審査すること。
精神医療審査会については、精神保健福祉法第3章に規定あり。
精神医療審査会が新設されたあたりの経緯については、中央法規当該科目テキスト第6版p33~。
参考:厚生労働省 ○精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第一二条に規定する精神医療審査会について
選択肢4:保護者制度の廃止
×
保護者制度の廃止は、2014年、精神保健福祉法の一部改正による。
この改正で、医療保護入院における「保護者」の同意要件がなくなった。
代わりに、「家族等」の同意の必要性が設けられた。
保護者制度では保護者となり得る人とその順位が以下のように定められていた。
① 後見人又は保佐人(※ ②~④の者と順位変更はできない。)
② 配偶者
③ 親権を行う者
④ ②③の者以外の扶養義務者のうちから家庭裁判所が選任した者
家族等とは、配偶者、親権者、扶養義務者、後見人または保佐人のいずれか。順位は定められていない。家族等が明らかでない場合や家族等の全員がその意思を表示することができない場合は、市町村長の同意でも入院させられる。
選択肢5:精神障害者保健福祉手帳制度の新設
〇
1993年 障害者基本法において精神障害者が障害者として位置付け
1995年 精神保健法⇒精神保健福祉法に改正
精神障害者が各種支援を受けやすくなることで、精神障害者の自立と社会参加の促進を図ることが目的。
正答
5(精神障害者保健福祉手帳制度の新設)