こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題40 解決志向アプローチに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 解決を要する問題行動の生じる頻度を測定する。
- 問題に対するこれまでの対処方法は用いず、新しい方法を提案する。
- 問題が解決した場合の状況について質問する。
- 専門的知見から、問題解決のイメージを提案する。
- 問題を解決するために、直接的な原因を追究して除去する。
設問について
ソーシャルワークのアプローチについての理解が問われる問題。
解決志向アプローチは、バーグやシェザーらが提示。
ブリーフセラピー(短期療法)の流れをくみ、クライエントが抱く解決した状態のイメージに焦点をあてて、解決に役立つ資源を活用しながら短期間で実現していく。
クライエントに対して発するミラクル・クエスチョン(問題解決後の生活の様子や気持ちについて、想像を促す質問)、スケーリング・クエスチョン(クライエントの経験や今後の見通しを数値に置き換えた評価を尋ねる質問。 数値化することで,自分自身を客観化する)など、様々な質問技法がある。
解決志向アプローチは、アメリカにあるBrief Family Therapy CenterのSteve de ShazerとInsoo Kim Bergらが開発した、Solution Focused Therapyをモデルにして発展している新しい心理療法です。
このアプローチの最大の特徴は、「問題やその原因、改善すべき点」を追求するのではなく、解決に役に立つ「リソース=資源(能力、強さ、可能性等)」に焦点を当て、それを有効に活用することにあります。
「何がいけないのだろう?」と考える代わりに「自分が望む未来を手に入れるために、何が必要なのだろう? 何が出来るのだろう? どうやったらできるのだろう?」と考え、一緒に解決を創り上げていきます。
子どもの問題から成人の問題まで、さまざまな相談への対応が研究されており、日本においても、効率的で実践的なアプローチとして、さまざまな現場で適用されています。
解決志向アプローチ l 一般社団法人 日本臨床心理士会
その他参考
子育てカウンセリング リソースポート>解決志向アプローチの技法
各選択肢について
選択肢1:解決を要する問題行動の生じる頻度を測定する。
×
解決志向アプローチでは、問題行動の生じる頻度を測定するのではなく、スケーリング・クエスチョンでクライエントの経験や今後の見通しを数値に置き換えた評価を尋ね、 数値化する。
選択肢2:問題に対するこれまでの対処方法は用いず、新しい方法を提案する。
×
解決志向アプローチの中心にある考え方は、下記の3つ。
・上手くいっているなら、変えようとしない
・一度でも上手くいったなら、またそれをする
・上手くいかないなら、何か違うことをする
問題に対するこれまでの対処方法の中に、うまくいっているものは変えない。
選択肢3:問題が解決した場合の状況について質問する。
〇
解決志向アプローチでは、ミラクル・クエスチョンで問題解決後の生活の様子や気持ちについて、想像を促し、解決像(クライエント自身が望んでいる、より良い状態や、快適な状態、望ましい自分自身についてのイメージ)が明確になるよう働きかける。
選択肢4:専門的知見から、問題解決のイメージを提案する。
×
解決志向アプローチでは「クライエントこそクライエントの人生の専門家である」という姿勢でクライエントと関わる。
選択肢5:問題を解決するために、直接的な原因を追究して除去する。
×
解決志向アプローチでは、「問題」と「解決」は関係ないと考える。
正答
3(問題が解決した場合の状況について質問する。)