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問題52|第25回 精神保健福祉士 国家試験 ④精神保健福祉の理論と相談援助の展開

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

事例問題2

次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Cさん(25歳、男性)は、19歳の時に友人に勧められて覚醒剤を使用し、警察に逮捕され、その後、保護観察処分を受けた。保護観察期間が終わってからは、その友人とも距離を置き、就職して23歳の時に結婚して子どもも生まれた。ところが新しい上司との相性が悪く、ミスを叱責されたことから口論となって仕事を辞め、再び覚醒剤を勧めた友人と会うようになった。働かずブラブラしているCさんをみた妻は、子どもを連れて家を出てしまった。Cさんは、失意と孤独から抑うつ状態に陥り、覚醒剤を再使用したいという欲求にかられ、精神科クリニックを訪れた。診察した医師はクリニックで実施しているSMARPP(せりがや覚せい剤依存再発防止プログラム)への参加を勧め、担当のD精神保健福祉士がプログラム導入のための面接を行った。Cさんは、面接室に座るなり、「保護観察の時にも更生プログラムを受けた。本当に効果があるんですか」と疑心暗鬼な様子で尋ねた。D精神保健福祉士はCさんがクリニックに来たことをねぎらい、面接を始めた。(問題52)
Cさんは、D精神保健福祉士との面接を経て、プログラムに参加することになった。プログラムを始めたばかりのCさんは、身体もつらそうで緊張した面持ちだったが、
「妻からは、『覚醒剤を勧めた友人と縁を切って、働くようになったらまた一緒に暮らしても良い』と言われた。頑張って妻と子どもに回復した姿を見せたい」と週1回の参加を続けた。4週目には、薬物の再使用の「引き金」について考えるプログラムに参加した。Cさんは自分の「引き金」が対人関係のつまずきと考え、D精神保健福祉士やほかのメンバーと一緒にその対処方法について確認した。(問題53)
その後、順調にみえていたCさんだったが、プログラムが始まって2か月が過ぎた頃からイライラしてプログラムのメンバーと何度か言い争う姿がみられた。心配したD精神保健福祉士が、Cさんと面談すると、「妻と子どものことを考えると、もう絶対覚醒剤はやってはいけないと思うが、ふとした時にまた無性に覚醒剤を使いたいと思うことがある」「妻と子どもに会いたい」と訴えた。(問題54)

目次

問題52 次の記述のうち、この面談時のD精神保健福祉士のCさんへの発言として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「覚醒剤がいかに危険なものか分かっていますか」
  2. 「覚醒剤を使うことをどのように思っていますか」
  3. 「最初に、治療プログラムについて説明します」
  4. 「あなたがしたことで、ご家族がどんな思いをしたか考えてください」
  5. 「そのような態度では、覚醒剤を再使用してしまいますよ」

設問について

精神科クリニックに勤務する精神保健福祉士が、薬物依存症のCさんがSMARPP(せりがや覚せい剤依存再発防止プログラム)に参加するためのプログラム導入を行う面接。言葉がけの方向性は、相談援助で求められる基本姿勢から導ける。

SMARPP(Serigaya Methamphetamine Relapse Prevention Program)

神奈川県立精神医療センターの旧せりがや病院で開発された認知行動療法型の外来依存症治療プログラム。ワークブックとマニュアルを用いた集団認知行動療法プログラムで、有効な外来治療とされている。

参考にされているのは、米国の薬物依存症外来治療プログラムMatrix Model。

↓これは後日読んで勉強したい。
薬物依存症に対する認知行動療法プログラムの開発と効果に関する研究 | 厚生労働科学研究成果データベース

各選択肢について

選択肢1:「覚醒剤がいかに危険なものか分かっていますか」

×

プログラムに対して懐疑的なCさんに対して、いきなり説教口調では信頼関係を築けず、プログラム導入の同意も得られなくなりかねない。

選択肢2:「覚醒剤を使うことをどのように思っていますか」

プログラムに対して懐疑的なCさんに対しては、プログラムの説明から始めるよりも、自身の覚醒剤使用についての認識や考えを確認した上で、Cさんにより合うプログラムの説明や提案の仕方、参加の同意の得方が可能となる。

選択肢3:「最初に、治療プログラムについて説明します」

×

プログラムに対して懐疑的なCさんの思いを無視する流れ。

選択肢4:「あなたがしたことで、ご家族がどんな思いをしたか考えてください」

×

家族関係で痛手を負い、かつプログラムに対して懐疑的なCさんに対して、いきなり説教口調では信頼関係を築けず、プログラムの場がCさんにとって安全な場所ではなくなり、プログラム導入の同意も得られなくなりかねない。

選択肢5:「そのような態度では、覚醒剤を再使用してしまいますよ」

×

Cさんは、以前保護観察の時にも更生プログラムを受けたが、再度覚醒剤を使用してしまったことから、プログラムの効果に対して懐疑的になっている。まずは信頼関係構築のために、そんなCさんの思いを汲み取る言葉がけが適切であり、説教じみた言葉は不適切。

正答

2(「覚醒剤を使うことをどのように思っていますか」)

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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