こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題2
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Cさん(25歳、男性)は、19歳の時に友人に勧められて覚醒剤を使用し、警察に逮捕され、その後、保護観察処分を受けた。保護観察期間が終わってからは、その友人とも距離を置き、就職して23歳の時に結婚して子どもも生まれた。ところが新しい上司との相性が悪く、ミスを叱責されたことから口論となって仕事を辞め、再び覚醒剤を勧めた友人と会うようになった。働かずブラブラしているCさんをみた妻は、子どもを連れて家を出てしまった。Cさんは、失意と孤独から抑うつ状態に陥り、覚醒剤を再使用したいという欲求にかられ、精神科クリニックを訪れた。診察した医師はクリニックで実施しているSMARPP(せりがや覚せい剤依存再発防止プログラム)への参加を勧め、担当のD精神保健福祉士がプログラム導入のための面接を行った。Cさんは、面接室に座るなり、「保護観察の時にも更生プログラムを受けた。本当に効果があるんですか」と疑心暗鬼な様子で尋ねた。D精神保健福祉士はCさんがクリニックに来たことをねぎらい、面接を始めた。(問題52)
Cさんは、D精神保健福祉士との面接を経て、プログラムに参加することになった。プログラムを始めたばかりのCさんは、身体もつらそうで緊張した面持ちだったが、
「妻からは、『覚醒剤を勧めた友人と縁を切って、働くようになったらまた一緒に暮らしても良い』と言われた。頑張って妻と子どもに回復した姿を見せたい」と週1回の参加を続けた。4週目には、薬物の再使用の「引き金」について考えるプログラムに参加した。Cさんは自分の「引き金」が対人関係のつまずきと考え、D精神保健福祉士やほかのメンバーと一緒にその対処方法について確認した。(問題53)
その後、順調にみえていたCさんだったが、プログラムが始まって2か月が過ぎた頃からイライラしてプログラムのメンバーと何度か言い争う姿がみられた。心配したD精神保健福祉士が、Cさんと面談すると、「妻と子どものことを考えると、もう絶対覚醒剤はやってはいけないと思うが、ふとした時にまた無性に覚醒剤を使いたいと思うことがある」「妻と子どもに会いたい」と訴えた。(問題54)
問題54 次の記述のうち、のCさんの訴えに対するD精神保健福祉士の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
- プログラムで、今の気持ちをメンバーと共有することを提案する。
- 保護観察処分を受けたことがあるため、保護観察所に対応の指示を得る。
- クリニックでのプログラムを中止し、司法のプログラムに変更することを伝える。
- クリニックへの立入りを制限し、底つき体験を促す。
- に連絡し、Cさんに会いに行くよう依頼する。
設問について
イライラしてプログラムのメンバーと言い争うCさんを心配して行う面談の場面で、揺れるCさんに対する適切な対応は。
各選択肢について
選択肢1:プログラムで、今の気持ちをメンバーと共有することを提案する。
〇
「もう絶対覚醒剤はやってはいけないと思うが、ふとした時にまた無性に覚醒剤を使いたいと思うことがある」「妻と子どもに会いたい」といった気持ちは、プログラムの他の参加者から共感的理解が得られる可能性が高い。また、他の参加者の体験談など体験的知識を得られる可能性もあり、いずれもCさんにとってプラスになる。
選択肢2:保護観察処分を受けたことがあるため、保護観察所に対応の指示を得る。
×
Cさんの保護観察期間は既に終わっていて、保護観察所の担当外。
Cさんの過去の様子について問い合せる必要がある場面でもない。
選択肢3:クリニックでのプログラムを中止し、司法のプログラムに変更することを伝える。
×
Cさんは、言い争いはしたが、重大な他害行為を行ったわけではなく、司法のプログラムに変更する必然性がない。
選択肢4:クリニックへの立入りを制限し、底つき体験を促す。
×
Cさんは、治療とプログラム参加を継続しており、底つき体験が必要な状況にない。
選択肢5:妻に連絡し、Cさんに会いに行くよう依頼する。
×
Cさんは妻と子に会いたいと言っているが、会う場面を精神保健福祉士がお膳立てする必要のある場面ではなく、「覚醒剤を勧めた友人と縁を切って、働くようになったらまた一緒に暮らしても良い」という妻の思いを尊重する必要がある。
正答
1(プログラムで、今の気持ちをメンバーと共有することを提案する。)