言葉に対する意識の低い人でもライターを名乗り、ライターになれる時代の弊害です。
「ドラッガー」って、薬物依存症か!?
経営の神様とか、マネジメントの父と呼ばれるP. F. ドラッカー。
「P. F. ドラッガー」はよく見かける間違い。
個人のブログならともかく、日本最大級の人事ポータルを謳っているサイトでも「ドラッガー」と書いてあったりすると心底げんなりします。
ドラッガーって、ヤク中か!?
人名を、しかもこんなにも著名な人を、このように間違えるというのは・・ライターの選別ミスか、校正者または校閲者が疲労困憊であったか、あるいはそもそも校正や校閲など行われていないか。
会社レベルで展開している用語集でも、こういうレベルの間違いがしばしばあるのが現実だ。
他の日本語もおかしい
「ドラッガー」と書いているこの記事には他にも、おかしな表現がちょいちょいある。
「目標管理制度(MBO)」とは、個別またはグルーブごとに目標を設定し、それに対する達成度合いで評価を決める制度で、Management by Objectivesと書きます。
「Management by Objectivesと書きます」って何よ!?
まともな日本語感覚の持ち主なら小学生でもこうは書くまい。
https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=24
成果に対する報酬と言う金銭的インセンティブだけがフューチャーされ、人間尊重の考え方が欠落し、
「フューチャー future 」じゃない!
「フィーチャー feature」だ!
言葉に対する感度がここまで低くてよくライターができるもんだとも思うが、こんな記事を修正もせず平気で載せている企業側もどうかしている。
DeNAのWELQ騒動をきっかけに、質の低い記事を大量掲載するSEOの手口は問題視されるようになったが、健康以外のテーマでは低レベルな原稿がチェック不足のまま今後も掲載され続けるのだろう。
日本語の未来を憂う
情報化によって生活は至極便利になったが、その弊害としておかしな言葉が氾濫するようになってしまった。
正しい日本語を書けないライターは、指摘を受けることで恥ずかしい思いを何度かするうちに、ライターをやめたり、言葉に対する感度を高めたりする人もいるだろう。一方、諸々の感度が低いがゆえに、指摘を受けても恥ずかしいとすら思わず、正しい日本語を求めるところからの発注はやがてなくなり、言葉の正しさを気にしないところからの仕事でライターを続けていく、というところだろうか。
言葉の感度が低い人の文章を読んだ人が、間違った言葉遣いを正しいと勘違いしてしまったら気の毒だが、それはそれで批判精神がない人は損をするというだけのことか。
言葉は生きものだから、変化していくのはやむを得ない。しかし今後私が死ぬまでの数十年間にどこまで乱れていくか、その弊害としてどんなことが起こるか、注意深く見ておこう。