こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題 1
次の事例を読んで,問題 49 から問題 51 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Kさん(26 歳,女性)は大学卒業後Y社に就職した。配属された部署は残業が多く忙しい職場であった。直属のL上司はKさんを熱心に指導した。生真面目なKさんは,L上司の期待に応えようと,自宅に仕事を持ち帰って仕上げるように心がけた。そのため,仕事が頭から離れず,寝てもすぐに目が覚め,食事も砂を噛んでいるようになっていった。体調の悪さを自覚したKさんは,社内報に掲載されていたY社が契約している従業員支援プログラム(EAP)機関のことを思い出し,相談に行った。そこで,Kさんは担当のM精神保健福祉士に,「他の社員に迷惑が掛かるから休めない」「眠れなくてつらい」「このまま消えたい」と涙ながらに訴えた。M精神保健福祉士は,「よくここまで耐えてこられましたね」とねぎらった上で,次のように提案した。(問題 49)
数日後,KさんはZ精神科病院を受診し,うつ病と診断され入院することとなった。1 か月を経過した頃,Kさんは面会に来たM精神保健福祉士へ,「主治医が退院を許可してくれない。休んでしまった分,早く穴埋めをしたいのに」と訴えた。面会の 1週間後,M精神保健福祉士は,主治医とKさんとL上司とで退院について協議した。
そこで,M精神保健福祉士は次のことを提案した。(問題 50)
後日,入院中であったKさんは,精神科デイケアを体験利用した。そこでは自分と同じような状況にある利用者と交流して,焦っているのは自分だけではないと感じた。退院後,精神科デイケアを利用し始めた。 3 か月後,M精神保健福祉士は,デイケアスタッフ,主治医,L上司,Kさんと仕事に関して話し合った。従業員に業務負荷を強く感じさせる労働環境の改善も必要だと,L上司も考えるようになった。
Kさんは負荷の少ない配慮された環境で仕事を再開した。それから数か月たった頃,M精神保健福祉士は労働環境の改善が必要と考え,L上司に「働き方を考える研修会」の実施を提案した。そこで,Kさんは体験談を語った。(問題 51)
研修会の後,KさんはM精神保健福祉士に,「初めは,今までのように働けない自分を弱い人間だと感じていた。でも,同じ病の人と出会い,体が壊れるまで働くのは個人にとっても会社にとっても良くないと,今は思う」と語った。
問題 49 次のうち,この時点でM精神保健福祉士が提案した内容として,適切なものを 1 つ選びなさい。
- 入院を勧める。
- 転職を勧める。
- 気分転換として旅行を勧める。
- 受診を勧める。
- パワーハラスメントで訴えるよう勧める。
設問について
この時点とは
Kさん(26 歳,女性)は生真面目な性格。
職場は忙しくて残業が多く、上司Lさんは指導熱心。
Lさんの期待に応えようと、持ち帰りで仕事をこなしていたら、仕事が頭から離れず、睡眠が不安定になり、食事を楽しめなくなってしまった。
ということがあって、勤務先が契約しているEPA機関に初めて相談に来て、「他の社員に迷惑が掛かるから休めない」「眠れなくてつらい」「このまま消えたい」と涙ながらに訴えるKさんを、担当のM精神保健福祉士が「よくここまで耐えてこられましたね」とねぎらったところです。
各選択肢について
選択肢1:入院を勧める。
入院の判断は、医師の仕事。
選択肢2:転職を勧める。
責任感が強く「他の社員に迷惑が掛かるから休めない」と考えるKさんにとって、まずとるべき最善の策が転職?なわけないです。
選択肢3:気分転換として旅行を勧める。
Kさんの状態から、うつ病の可能性が伺え、医療が必要であろうことは推測できます。
そのKさんに必要なのは心身共に休むことと考えられます。
旅行は気分転換になりますが、Kさんの状態では旅行すら負担になりかねません。
選択肢4:受診を勧める。
前述の通り、Kさんの状態から、うつ病の可能性が伺え、医療が必要であろうことは推測できます。
Kさん自身も、「体調の悪さを自覚した」ことからEPA機関に来談しているので、この時点で受診を勧めるのは〇。
選択肢5:パワーハラスメントで訴えるよう勧める。
直属のL上司はKさんを熱心に指導していますが、Kさんは期待に応えようと頑張ってきたのであって、上司の指導をハラスメントと受け止めている様子は伺えません。
正答
4(受診を勧める。)