こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
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事例問題 3
次の事例を読んで,問題 55 から問題 57 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Q市の地域若者サポートステーション(以下,「Qステーション」という。)で働くD相談員(精神保健福祉士)のところへ,抑うつ傾向にあるEさん(32 歳,女性)の母親が,娘の将来を案じ相談に訪れた。話を聴くと,Eさんは 1 年間の浪人生活の後に大学へ進学した。卒業後は,希望する職業はなく有期雇用の採用であった。デザイン会社,IT企業,不動産会社などを転々として働いたが,この半年間はあまり外出もせず,自宅で過ごす日々が続いている。
D相談員は,母親を通じEさんから了解を得て自宅を訪問した。数回の訪問の中で,Eさんから,「卒業後はリーマン・ショックによる就職難」「そして,結局有期雇用」「資格を取っても意味がなかった」といった傷ついた自尊心などが語られた。同世代のD相談員は,Eさんの話に共感し,「厳しい環境の中でも働けてきたこと」「働きながら資格を取り,様々な業種でキャリアを積んできたこと」「社会とつながろうとする気持ちがあったこと」などといったメッセージを返した。(問題 55)
その後,EさんはQステーションを訪れるようになり,再び就職してみたいと考え始め,「無理しない程度で,若い人たちと会えるような職場があれば」とD相談員に話した。D相談員は自分の出身大学に隣接した,学生に人気があるカフェで求人が出ていたことを思い出し,Eさんの自宅から近いことや土日が休みであることなど,Eさんの希望とも合うことから,求人面接にチャレンジしてみるよう話した。(問題 56)
その後,Eさんは無事に採用され,時には気分が落ち込むこともあったものの,D相談員との面談などにより支えられ, 1 年以上働き続けている。D相談員は,「働くことの息苦しさや困難さがあってもどうにかやってきたのですから,ここまでのことを誰かに伝えてみませんか」とEさんに提案してみた。「自分の体験が役に立つのなら,挑戦してみようかな」とEさんは話した。そこでD相談員は,このカフェを時々利用している自分のゼミの指導教員を訪ね,Eさんと大学生との交流ができないか相談した。(問題 57)
問題 56 次の記述のうち,Eさんに求人面接を受けるように促したD相談員の意図として,適切なものを 1 つ選びなさい。
- Eさんに労働の意味を理解してもらうため。
- Eさんの働く意欲を喚起するため。
- Eさんが人を相手にした職場で働けるかどうかを判断するため。
- Eさんに自分の可能性に気付いてもらうため。
- Eさんとカフェを経営する事業所との関係を深めてもらうため。
設問について
希望する職業に就けず、有期雇用で職を転々とした末に、自宅で過ごしがちの半年間を送っていたEさん。D相談員と面談した後、サポステを訪れるようになり、再び就職したいという意欲が喚起されるようになったところです。
状態が変化していくクライエントに対して、その時々の状態にあった支援を行う必要があります。
各選択肢について
選択肢1:Eさんに労働の意味を理解してもらうため。
Eさんが労働の意味を理解していないことが読み取れる箇所はないと思われます。希望する職業がなく、有期雇用で複数の会社を転々としたのはリーマンショック等社会的背景によるものと考えられます。
選択肢2:Eさんの働く意欲を喚起するため。
この段階Eさんは、再び就職してみたいと考え始めていて、「無理しない程度で,若い人たちと会えるような職場があれば」とD相談員に話しており、働く意欲は既に喚起されていると考えられます。
選択肢3:Eさんが人を相手にした職場で働けるかどうかを判断するため。
Eさんの職業適性を判断するためというよりは、「無理しない程度で,若い人たちと会えるような職場があれば」というEさんの希望に合うから、カフェの求人を紹介したと考えられます。
選択肢4:Eさんに自分の可能性に気付いてもらうため。
厳しい社会状況の中、希望する職に就けず資格も活かせず不本意な働き方を重ね、Eさんは自尊心が傷つきパワーレスの状態だったと考えられます。D相談員と出会ってサポステに通うようになり、少しずつ力を取り戻しつつあるEさんに対して、D相談員はEさんに自分の可能性に気付いてもらおうとしていると考えられます。
選択肢5:Eさんとカフェを経営する事業所との関係を深めてもらうため。
Eさんとカフェを経営する事業所は、まだ何の関係も持っていないので、いきなり関係を深めるところから始めるのは不自然。
正答
4(Eさんに自分の可能性に気付いてもらうため)