こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
〔事例〕
Eさん(27歳、男性)は菓子職人として働いていたが、度重なる残業がストレスとなり、23歳の時に不眠が生じ、また幻聴も始まったため精神科病院を受診した。統合失調症と診断され3か月の入院の後、精神科デイケアに通院して4年が経過している。
ある日、Eさんは、デイケアの仲間が働き始めたことに刺激を受け、「自分もどうしても働きたい」と担当の精神保健福祉士に相談した。そこで、公共職業安定所(ハローワーク)の精神障害者雇用トータルサポーターであるF精神保健福祉士を紹介され、面談することとなった。
「調子がいい時と悪い時がある。病気のことは内緒にして働いたこともあったが、うまくいかなかった」と話したEさんは、F精神保健福祉士から将来について聞かれ、「子どもの頃から物作りが好きだった。菓子職人になったけど、思うとおりにはならなかった。今はデザインの仕事をして人を幸せにしたい」と語った。F精神保健福祉士は、就職への強い希望と意欲がEさんの強みだと感じた。(問題33)
F精神保健福祉士は、Eさんの症状は安定していないが、多職種で協力し一般就労に結び付けたいと考えた。そこでEさんの了承の下、主治医、担当の精神保健福祉士、Eさんが最近利用するようになった地域活動支援センターの職員と連絡を取り、1週間後に本人同席の上で今後の就労支援の方向性を話し合うための会議を開催した。(問題34)
話合いでは、デザイン関連につながる仕事を探すこと、障害年金の受給と合わせることで短時間労働でも経済的な自立を目指せることなどが確認された。F精神保健福祉士はこれらの条件に合う企業をいくつか訪問し、Eさんのことを紹介した。すると、就職後もF精神保健福祉士を中心としたチームが職場訪問すること、困り事などの相談や調整を継続することを条件に受入れを承諾してくれる企業を見付けることができた。働き方についてもEさんと会社、さらにF精神保健福祉士が話し合い、週3日、1日4時間から働くことになった。Eさんは職場の理解の下、継続して半年間働いている。今では週4日に日数を増やすことも考えている。(問題35)
問題33 次のうち、F精神保健福祉士がとったアプローチとして、適切なものを1つ選びなさい。
- フェミニストアプローチ
- ジェネラリストアプローチ
- エンパワメントアプローチ
- ナラティブアプローチ
- クライシスアプローチ
設問について
ソーシャルワークで用いられるアプローチに関する理解が問われる問題。
各アプローチの参考図書については下記記事にて。
各選択肢について
選択肢1:フェミニストアプローチ
×
フェミニストアプローチは、女性を対象にしたアプローチ。
社会的に不利な状況に置かれがちな女性がエンパワメントできるように、個人に働きかけるとと同時に、社会にも働きかけ変革を促進していくアプローチ。
選択肢2:ジェネラリストアプローチ
×
ジェネラリストアプローチとは、包括的な視点に基づくアセスメント結果をふまえて、既存の多様な技法やサービスなどを積極的に活用していく姿勢。独自の介入方法や特定の技法に依拠しない。
中央法規当該科目テキスト(第2版)p76、127等。
選択肢3:エンパワメントアプローチ
〇
エンパワメントアプローチは、差別的な待遇によって陥った無力な状態を改善するために、クライエントが自らをコントロールするためのパワーを取り戻すよう、ソーシャルワーカーが側面的にサポートする。
中央法規当該科目テキスト(第2版)p111等。
選択肢4:ナラティブアプローチ
×
ナラティブアプローチは、「言葉が現実をつくり出す」とする社会構成主義の思想を背景とする、クライエントのナラティブ(語り、物語)を最大限に尊重しようとする考え方。
中央法規当該科目テキスト(第2版)p111-112等。
選択肢5:クライシスアプローチ
×
クライシスアプローチは、危機状態に陥っているクライエントや家族、地域等に対して、その状態の改善を目的に、危機状態を脱するよう積極的に働きかけるもの。
正答
3(エンパワメントアプローチ)