こんにちは、ブジカエルです。
社会福祉士の登録証も手元に届き、5月の精神保健福祉士短期養成コース入学を待ちつつ、過去問に取り組んだり入学に先立って届いたテキストを見たりしていましたが、学校からメールで届いたソーシャルワーク実践セミナーもちゃんと見なければ。
ということでそのの2つ目、テーマは「WHAT A WONDERFUL WORLD~「認知症」支援、「認知症」家族支援に必要な専門性~」、講師は永田 理洋(ながたまさひろ)さんです。
社会福祉法人 太陽会の、特別養護老人ホーム・介護老人福祉施設. 「わたしの家 府中」で自立支援部長をしつつ、
・専門学校の非常勤講師
・成年後見人
としても活動される、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員の方。
認知症支援の前に
Q. 自分について
- 今の仕事は?
- 性別は?
- 好きなことは?
- 身長・体重・血液型は?
- どんな性格?
- 出身地は?
- 家族構成は?
- 趣味は?
- 長所・短所は?
- 治療中の病気は?
動画を止めて紙に書いてみましょう!
ですって。
「あなたはあなたで他の誰でもない」
地球上に、地域に、たくさんの人がいるけれども、同じ人は一人もいない。
「大切にしてほしい」
支援者である自分を、他の誰でもない自分を、大切にしてほしい。
自分を大切にできない人が、他の人を大切にできるわけがない。
日本国憲法第13条
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
支援者はどうあるべきか。どうかかわるべきか。
個性を生かすことは、自分を大切にすること。
自分を大切にしながら、支援を行う。
対人支援職という仕事。
自分ではない、他人様の生き方を支える仕事。
個性だけでクライエント支援は難しい。
⇒個性に、「専門性」(知識・技術・価値)をプラスして関わる。
専門性
社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、それぞれに倫理綱領や原理原則がある。
守るべきことを知り、理解し、関わりに活かすことが大切。
自分の目指す資格の倫理綱領を確認しよう!
認知症支援
認知症とは
「認知機能」が働きにくくなったために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態のこと。(『認知症世界の歩き方』より)
認知機能
ある対象を感覚器官でとらえ、それがなんであるかを解釈したり思考・判断したり計算や言語化したり記憶に留めたりする働き。
その他、WHOによる定義や、介護保険法の定義もある。
脳の状態のことを言うのではなく、その状態によって生活しづらくなっている状態ととらえる方が、支援の幅が広がる
大概の支援者は認知症ではなく、認知症の人の思いや考えがわからない。
認知症のある方の心と身体には、どんな問題が起きているのでしょうか。そして、いつ・どこで・どのような状況で生活のしづらさを感じているのでしょうか。
『認知症世界の歩き方』
いざこういうことを調べてみても、これまでに出版された本やインターネットで見つかる情報は、どれも症状を医療従事者や介護者視点の難しい言葉で説明したものばかり。肝心の「ご本人」の視点から、その気持ちや困りごとがまとめられた情報が、ほとんど見つからないのです。
この大切な情報が不足していることが原因で、認知症に関する知識やイメージに偏りが生まれ、ご本人と、周りの方の生きづらさにつながっています。
長谷川式スケールの長谷川さん
「人間は生まれたときからずっと連続して生きているわけですから、認知症になったからといって突然、人が変わるわけではありません。昨日まで生きてきた続きの自分がそこにいます」(『ボクはようやく認知症のことがわかった』)
佐藤雅彦さん
「認知症になっても不便ではあるけれど不幸ではありません」
「『できる』『できない』だけで人間を語ることはできません。 自分が自分であることは何によっても失われることはありません、認知症になると、たしかに不便ですが、決して不幸ではありません。自分がどのように生きていくかは、自分で決めて、自分でつくることができるのです」
「認知症はその人の一部であり、一部でしかないのではないでしょうか。」
教科書に書かれていることをしっかり学びつつ。
その時、その状態でしか出てこない言動をどう受け止め反応するか。
その人のその人らしさを支援するとはどういうことか。
支援者は問われる。
正解はない。
「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」
2 適切な意思決定プロセスの確保
厚生労働省>認知症施策関連ガイドライン(手引き等)、取組事例
(1) 本人が意思を形成することの支援(意思形成支援)
(2) 本人が意思を表明することの支援(意思表明支援)
(3) 本人が意思を実現するための支援(意思実現支援)
厚労省サイトを見てみよう!
認知症とは?「暮らしの障害」
認知機能が働きにくくなったため、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態。
その人自身、環境、アプローチの幅を狭めず、多職種と連携して支援していくこと。
暮らしの障害であることを踏まえることが重要。
認知症家族支援
例えば川崎市では、
「認知症アクションガイドブック」
「正しく知ろう認知症」
といった物を出している。
本人、家族に向けての情報はたくさんある。
役所で手にとって見てみるのもいいのでは。
社会福祉士として、他機関につなげ連携したりしている。
その中で大切だと思うのは、認知症の方と共に暮らしている方のご家族の思いを受け止めること。
家族が認知症になることによる、不安、病気の受容、受容の周辺の罪悪感、苦しさ・・
支援者は、本人や家族の思いを受け止めてから連絡調整しないと、支援がうまくいかなくなる。
まずは、受け止める。
話しを聴く。
時間を割く。
「どう関わるべきか?」
専門性+個性で、支援機関につなげながら、つなげる前に受け止める。
支援者自身が社会資源。
『援助を深める事例研究』
援助を深める事例研究の方法[第2版]:対人援助のためのケースカンファレンス (MINERVA福祉ライブラリー32)
おわりに
最後に、
支援する側・される側の関係性とは
支援する・されるだけの視点ではなく、
関わっている人の、目の前の人の話を聴く
自分のエネルギーをその方に傾ける
声にならない声も聴く
支援する側に与えられるものをしっかり受け取る
というようなことをお話されていました。
認知症に限らず、精神障害者をはじめ全ての要支援者の支援において同じことが言えるのだと思います。今回のお話の、「認知症」を「統合失調症」と置き換えても全然通じる話だと思いました。