こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題3 次のうち、アルコール依存症の離脱症状として、正しいものを1つ選びなさい。
- 過眠
- 徐脈
- 発疹
- 振戦
- 疼痛
設問について
代表的な精神疾患のうち、アルコール関連障害の、特にアルコール依存症の離脱症状に関する問題。
中央法規当該科目テキスト(第2版)で、アルコール関連障害はp100~。
各選択肢について
アルコールは薬理学的に抑制作用を有する。
離脱期には、抑制とは逆の「興奮」を示す。
選択肢1:過眠
×
アルコール依存症の離脱症状としては、逆。
早期離脱症状(小離脱)のアルコール幻覚症では、鮮明な恐ろしい夢による恐怖を味わうことがある。
後期離脱症状(大離脱)で起こるのは、不安発作、錯乱の増大、睡眠不足(悪夢または夜間の錯覚を伴う)、大量発汗、重度の抑うつ等。
過眠が見られる病態としては、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、周期性傾眠症等。
選択肢2:徐脈
×
アルコール依存症の離脱症状としては、逆。
頻脈、動機、発熱、悪寒、嘔気嘔吐、血圧上昇といった自律神経症状=交感神経系の過剰興奮は、早期離脱および後期離脱のいずれでも見られる。
選択肢3:発疹
×
アルコール多飲者に見られる皮膚症状としては、下記のものがある。
・黄疸
・皮膚搔痒症
・血管拡張
・栄養障害性
・晩発性皮膚ポ リ ルフィ ン症
・膵炎に起因した皮下結節性脂肪壊死 皮下結節性脂肪壊死(まれ)
長期の飲酒による栄養障害性の皮膚の変化にペラグラがある。
病態としては、顔面、頸部、上下肢などの露出部での発赤から褐色に至る色素沈着や水泡、痂疲形成等。
ナイアシン、トリプトファン不足によるもので、ナイアシンはアルコールを分解するときに消費され、またアルコール多飲によりナイアシン、トリプトファン摂取が減少し、ペラグラを発症することが多い。
これらの皮膚の変化は、アルコールの離脱症状として起こるものではない。
選択肢4:振戦
〇
振戦せん妄は通常,アルコール離脱の48~72時間後に始まり,不安発作,錯乱の増大,睡眠不足(悪夢または夜間の錯覚を伴う),大量の発汗,および重度の抑うつも起こる。不穏,恐怖,および驚愕さえも喚起する一過性の幻覚がよくみられる。初期のせん妄,錯乱状態,および見当識障害に典型的なのは,習慣的な活動への回帰である;例えば,患者はしばしば自分が復職したと想像し,仕事に関係した行動をとろうとする。
自律神経不安定は,発汗および脈拍数や体温の上昇という形で現れ,せん妄に付随して生じ,それとともに進行する。軽度のせん妄には通常,著明な発汗,100~120/分の脈拍,および37.2~37.8℃の体温上昇が伴う。著明な見当識障害と認知障害を伴う著明なせん妄は,顕著な不穏,120/分を超える脈拍,および37.8℃を超える体温上昇を伴い,死亡リスクが高い。
振戦せん妄の間,患者は多くの感覚刺激,特に薄明かりの中で見える物体により暗示を受けやすい。前庭の障害によって,患者は床が動き,壁が落ち,部屋が回っていると思い込むことがある。せん妄の進行とともに,手の安静時振戦が発現し,ときに頭部や体幹に広がることがある。運動失調が著明であり,自傷防止に努める必要がある。症状は患者によって異なるが,一般に各患者の再発時の症状は同じである。
MSDマニュアルプロフェッショナル版
選択肢5:疼痛
×
アルコール依存症の離脱期に、痛みへの逃避による疾病利得、鎮痛薬への依存がみられることはあるが、誰もが訴えるものとは言えない。
器質的に説明がつかない疼痛を訴える精神症状としては、身体表現性障害、うつ病、不安性障害が考えられる。
正答
3(振戦)