こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
問題23 次の記述のうち、ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.)が新たに提唱したノーマライゼーションの理念として、適切なものを1つ選びなさい。
- 障害がある人たちに、障害のない人々と同じ生活条件をつくり出す。
- 社会で主流となっている、毎日の生活条件に近い環境での暮らしを目指す。
- 自己決定と選択権が最大限尊重されている限り、人格的には自立しているとみなす。
- 社会に完全かつ効果的に参加し、社会に受け入れられるようにする。
- 社会的に価値を低められている人々に、社会的役割をつくり出す。
設問について
ノーマライゼーションをはじめ、ソーシャルワークの価値や理念についての理解が問われる問題。
ノーマライゼーションについては、中央法規当該科目テキストp90-91に記載あり。
各選択肢について
選択肢1:障害がある人たちに、障害のない人々と同じ生活条件をつくり出す。
×
ノーマライゼーションは、デンマークのニルス・エルク・バンクミケルセンによって「障害のある人たちに、障害のない人々と同じ生活条件を作り出すこと」とされ、知的障害者へのあり方について初めて提唱された考え方です。
社会福祉法人眉山福祉会まゆやま学苑 ノーマライゼーションについて
選択肢2:社会で主流となっている、毎日の生活条件に近い環境での暮らしを目指す。
×
デンマークのノーマライゼーションの取り組みは、ニリエを介してスウェーデンへと伝わります。ニリエは「すべての知的障害者の日常生活様式や条件を、社会の普通の環境や生活方法に可能な限り近づけることを意味する」と定義しました。その後は、西欧諸国、北米、日本にも波及し、世界中の障害者施策に影響を与えました。これによりニリエはノーマライゼーションの育ての父と呼ばれています。
同上
選択肢3:自己決定と選択権が最大限尊重されている限り、人格的には自立しているとみなす。
×
ノーマライゼーションの理念から発展した、自立生活モデルの考え方。
自立生活モデル/運動については、中央法規当該科目テキストp206-207。
選択肢4:社会に完全かつ効果的に参加し、社会に受け入れられるようにする。
×
ソーシャルインクルージョンの考え方(中央法規当該科目テキストp88-90)。
「障害者の権利に関する条約」の一般原則にこの文言が記載されている。
選択肢5:社会的に価値を低められている人々に、社会的役割をつくり出す。
〇
ノーマライゼーション理念の議論の中で、ヴォルフェンスベルガーがノーマライゼーション原理の再構築に心を砕き提案した「ソーシャル・ロール・ヴァロリゼーション」のこと。
「社会的役割」は「社会関係」とともに、人が「社会的機能」を果たしていく際に不可欠な要素。
正答
5(社会的に価値を低められている人々に、社会的役割をつくり出す。)