こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
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問題 24 社会における正義の実現に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
- ロールズ(Rawls, J.)が『正義論』で主張した格差原理は,その社会において最も恵まれない人が有利となるよう,資源の配分を目標とした。
- キムリッカ(Kymlicka, W.)による多文化主義は,固有の文化や生活様式を保持するため,同化政策の確立を目標とした。
- ベンサム(Bentham, J.)による功利主義は,人々の直感から得られた快の総量を計り,「最大多数の最大幸福」の実現を目標とした。
- サンデル(Sandel, M.)によるコミュニタリアニズムは,自己の在り方を「負荷なき自己」と捉え,共同体への帰属から自由になることを目標とした。
- フリーダン(Friedan, B.)らによる第二波フェミニズムは,「個人的なことは政治的なことである」というスローガンの下,家父長制の維持を目標とした。
設問について
「現代社会と福祉」みたいな設問ですね。
私は、現代社会と福祉は好きだけど、人名理論問題は苦手。
各選択肢について
選択肢1:ロールズ(Rawls, J.)
格差原理
ロールズは、『正義論』(1971)で主張した格差原理は,その社会において最も恵まれない人が有利となるよう,資源の配分を目標としました。
平等な基本的自由を保障する原理の優先が強調され,最も不利な状況にある人々の利益の最大化のための社会経済的不平等が正当化されるとする〈格差原理〉が提唱されているところに,その正義原理の内容的特徴がみられる。
格差原理(かくさげんり)とは? 意味や使い方 – コトバンク
選択肢2:キムリッカ(Kymlicka, W.)
多文化主義
キムリッカは文化の保全の意義を、個人の「自由」「自律」の促進という、自由主義の基本原則によって基礎づける。したがって、公権力による特定の文化慣行の奨励を認めず、また個人の自由や自律を侵害するような政策や文化慣行も許容されない。このような理論構成によって、キムリッカはマイノリティの権利を擁護するとともに、それを自由民主主義の原理によって限定する、首尾一貫した理論を構築したのである。彼は自らの立場を「リベラルな多文化主義」と称してこの点を明確にしている。
辻康夫「多文化主義論の諸類型の検討─ 複合的アプローチにむけて ─」(『法政理論』第45巻第3号、2013年)
選択肢3:ベンサム(Bentham, J.)
功利主義
行為の目的を,最大多数の人びとに最大の幸福をもたらすことだとする考え
功利主義(こうりしゅぎ)とは? 意味や使い方 – コトバンク
19世紀の英国で有力となった倫理学説,政治・社会思想。功利(快を求め苦を避ける人間の傾向)を価値の原理とみなす。ベンサムは量的な快楽計算を考え,〈最大多数の最大幸福〉の原理によって個人の幸福と社会の幸福を調和させようとした。
同上
最大多数の最大幸福
できるだけ多くの人々に最大の幸福をもたらすことが善であるとする説。
最大多数の最大幸福(さいだいたすうのさいだいこうふく)とは? 意味や使い方 – コトバンク
ベンサムがその著『道徳および立法の諸原理序説』 An Introduction to the Principles of Morals and Legislation (1789) で理論化した。この書で,個人の生活の目標は幸福であり,したがって個人の機械的総和である社会における幸福とは最大多数がそれを享受しうることとした。
同上
選択肢4:サンデル(Sandel, M.)
コミュニタリアニズム
ジョン・ロールズに代表されるリベラリズムが、主体と社会の関係を、前者が後者に先立ち自らの選択の結果として後者を成立させるという関係であるとしたのに対し、コミュニタリアニズムの論者たちは、個人は個別の共同体に属することで、つまり特定の共同体のなかで生まれ育ち、その共同体に特有の価値を身につけることによってはじめて主体になると主張した。
コミュニタリアニズム(こみゅにたりあにずむ)とは? 意味や使い方 – コトバンク
選択肢5:フリーダン(Friedan, B.)
第二波フェミニズム
第2次世界大戦後のアメリカのフェミニズム運動「第二の波」の草分け的な存在。
フリーダン(ふりーだん)とは? 意味や使い方 – コトバンク
(略)
26歳で結婚。かつての級友のその後を取材し,高等教育を受けて結婚し家庭に入った女性たちが自分と同じく,経済的な側面ばかりか知的生活でも感情面でも夫に依存して「既定の女の役割」を演じることにむなしさを感じているのを知る。アンケート結果を分析し,1963年『新しい女性の創造』(原題『女らしさの神話』The Feminine Mystique)に結実させた。この本は大きな反響を呼び,ベストセラーとなって各国語に翻訳された。
個人的なことは政治的なこと
ラディカル・フェミニズムが生み出した「個人的なことは政治的なこと(The personal in political)」というスローガンである。このスローガンは、個々の女性たちが―まさにこの点がどのような “ わたしたち ” が想定されうるのかという問題をはらんでいるのだが―その経験をたんに「個人に起こった出来事」ではなく、社会構造のなかで振り分けられた「女」というジェンダーにあてがわれた「政治的な出来事」として客観的に位置づけ、問題化する契機を生み出してきた。
第Ⅱ部 思考 ーフェミニズムをめぐる論考 ■理論/実践 5.「個人的なことは政治的なこと」をめぐる断章 – 立命館大学生存学研究
正答
正答:1(ロールズ(Rawls, J.)が『正義論』で主張した格差原理は,その社会において最も恵まれない人が有利となるよう,資源の配分を目標とした。)