こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
事例問題 2
次の事例を読んで,問題 33 から問題 35 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Gさん(26 歳,男性)は,大学生の時には相手の話した冗談を言葉どおりに受け取ってしまいトラブルに巻き込まれることもあったが,趣味の合う仲間もいて楽しく過ごすことができていた。しかし,就職してからは,元々あった音に対する敏感さに加え仕事の内容ごとに手順が異なり,戸惑うことが多くあった。異なる指示を受け混乱していたGさんはささいなミスを続けてしまい,上司からきつい注意を受けたことがきっかけで,休みがちとなった。Gさんには相談相手もおらず, 1 年もしないうちに自主退職してしまった。その後の求職活動では,書類選考や筆記試験では問題はないものの,面接になるとうまく話すことができず不採用が続いた。そのうちに,「もう何をやってもだめなんだ」と仕事探しをやめ,自宅で家族との接触も避け,自室に籠るようになっていった。
このような本人の様子を心配した両親は,近所のXメンタルクリニックで相談していたが,ある日,両親と一緒にGさんが初めて受診した。そこで,担当となったH精神保健福祉士が,「今日はよく来てくれましたね」と本人を迎え,初回面接を行った。(問題 33)
H精神保健福祉士は,数回の面接で,「周りがうるさいと仕事に集中できない」「パソコンでの作業は長時間集中できる」「急な予定変更には対応が難しい」「就職はすぐにしたいが,今はまだ自信がない」と話すGさんの状況から,地域若者サポートステーションの利用を勧めた。(問題 34)
その後,地域若者サポートステーションの利用を始めたGさんは, 3 か月たったある日の面接で,職場体験プログラムで会社訪問に行った時の様子を語りだした。「指示が具体的で手順が明確だ」「イヤホンを着けたままできるパソコン作業は,手際が良いとスタッフから褒められた」と満足気に話し,「自分にも仕事がやっていけそうだ」と嬉しそうに続けた。(問題35)
問題 34 次のうち,この時点でH精神保健福祉士がGさんに,地域若者サポートステーションの利用を勧めた理由として,適切なものを 1 つ選びなさい。
- 日常生活リズムを確立するため
- 協調性などの対人関係能力を向上させるため
- 職業適性を見極めるため
- 家族関係を改善するため
- 障害受容を深めるため
設問について
この時点でGさんから語られたことは、「周りがうるさいと仕事に集中できない」「パソコンでの作業は長時間集中できる」「急な予定変更には対応が難しい」といったGさんの特性と、「就職はすぐにしたいが,今はまだ自信がない」というGさんの今の気持ち。
Gさんの特性・気持ちと、サポステの間をつなげる選択肢を選びます。
地域若者サポートステーションとは
地域若者サポートステーション(通称サポステ)は、「働く」への一歩を踏み出したい15歳〜49歳までの現在、お仕事をされていない方や就学中でない方たちとじっくりと向き合い、本人やご家族の方々だけでは解決が難しい「働き出す力」を引き出し、「職場定着するまで」を全面的にバックアップする厚生労働省委託の支援機関です。
サポステ[地域若者サポートステーション]
各選択肢について
選択肢1:日常生活リズムを確立するため
Gさんから、生活リズムが崩れて困っているといったことは語られていません。
選択肢2:協調性などの対人関係能力を向上させるため
Gさんが対人関係能力の向上を希望しているということは、事例に書かれていません。
選択肢3:職業適性を見極めるため
「就職はすぐにしたいが,今はまだ自信がない」という発言は、まさにサポステの利用対象者のもの。
自己理解を一層深め、就職に向けて自信を育んでいく必要のありそうなGさんには、サポステが適切と思われます。
選択肢4:家族関係を改善するため
Gさんが家族関係で問題を抱えていたり、家族関係のために就労が困難になっているような記述はありません。
選択肢5:障害受容を深めるため
Gさんの特性から、何らかの障害がありそうな様子ではありますが、Gさんに障害があるという診断はまだ下されていないこの段階で、障害受容を深める支援は不適切と思われます。
正答
3(職業適性を見極めるため)