こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
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事例問題2
スーパービジョンに向け、自分の関わりを振り返った精神保健福祉士( 34歳、女性)の記録(事例)を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Fさん( 32歳、女性)は、私が勤務する精神科病院に18歳から統合失調症で入院していた。私が担当になったのはFさんが22歳の春だった。入院中のFさんは年配者と過ごすことが多かったため、ロールモデルにできる人がおらず自分の将来像を描けないでいた。そのため、同世代である私は会うたびに話しかけ、Fさんの将来について語ってもらった。このことに刺激を受けたFさんは、次第に自分自身の存在を認め、退院を考えるようになった。(問題33 )
Fさんが退院したのは28歳の時だった。Fさんは受診時には必ず相談室に顔を見せ、これからの夢を語っていった。私はFさんとの関わりを通し、信頼関係の構築を実感できるようになった。この頃Fさんは、経済的自立をするために働きたいと話していた。私は夢の実現への第一歩として、障害者就業・生活支援センターを紹介し、同行訪問することにした。面接の際Fさんは、「仕事がしたい」と伝えることはできたが、具体的な業種などの説明ができなかった。
Fさんは希望する業種の説明ができず落ち込んでいたが、普段は説明できていることや、夢や希望を持ち頑張れていることを伝えた。そして、働きたいという意欲を持っていることはFさんの強みであり、それが自己実現につながることをFさんに説明した。(問題34)
Fさんとの出会いから10年が過ぎ、私は病院から地域活動支援センターに異動し、Fさんと会う機会も減っていた。ある日のこと、Fさんから手紙が届いた。そこには、仕事も生活も順調であること。また、「結婚を前提に付き合っている人がいるが、もし子どもができたらどうすればいいか」と悩みが記されていた。その内容は、結婚や子どもができるかもしれないという将来への希望と、病気を抱えながら育てることへの不安、服薬による胎児への影響を心配しているものであると理解できた。(問題35)
問題33 次のうち、この時点で「私」がFさんとの関わりの際に支援目標として意識したこととして、適切なものを1つ選びなさい。
- セルフエスティームの向上
- 服薬を自己管理する能力の向上
- ストレスに対処する技術の向上
- 社会生活技能の向上
- 権利を主張する能力の向上
設問について
精神保健福祉士が行う直接支援についての理解が問われる問題。
中央法規当該科目テキスト第2版p227等。
同世代である「私」が会うたびに話しかけて、Fさんにの将来について語ってもらったところ、これが刺激となって、Fさんは、次第に自分自身の存在を認められるようになり、退院を考えるに至ったと。
人が自分を認められるようになるのに、何が必要であるか。
というところです。
各選択肢について
選択肢1:セルフエスティームの向上
〇
セルフエスティーム=自己肯定感。
障害特性や、長期入院、社会からの孤立といったことのために、経験を奪われていたり、社会の差別や偏見、自分が精神障害者であることの現実に打ちのめされる等して、自分に対する自信や誇りを喪失している人が多くいる。
そうした人たちの支援に、精神保健福祉士のアドボカシー機能やスキルが活用される。
自己肯定感を高め、なりたい自分、自己イメージやアイデンティティの再構築といったプロセスを含む。
情報提供や試験的な体験等を通して、意思形成を促すこと、意思を伝えるコミュニケーションスキルの獲得等を経て、意思決定をする人もいる。精神保健福祉士は、単に代行や代弁を行うだけでなく、クライエントが自己決定に至るそのプロセスを支援する。
選択肢2:服薬を自己管理する能力の向上
×
精神障害があって、継続的な服薬が必要な場合、服薬を自己管理する能力は重要。
が、この時点でFさんに服薬の能力向上が必要だったと思われる記述はない。
選択肢3:ストレスに対処する技術の向上
×
ストレス対処の技術は重要だが、この時点でFさんにストレス対処技術の向上が必要だったと思われる記述はない。
選択肢4:社会生活技能の向上
×
社会生活技能(人との付き合い方、金銭管理、ストレス対処等)は重要だが、この時点でFさんに社会生活技能の向上が必要だったと思われる記述はない。
選択肢5:権利を主張する能力の向上
×
差別や偏見にさらされやすい精神障害のある人の権利を擁護し社会的復権を支援することは重要だが、この時点でFさんに権利を主張する能力の向上が必要だったと思われる記述はない。
正答
1(セルフエスティームの向上)