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問題37|第23回 精神保健福祉士 国家試験 ③精神保健福祉の理論と相談援助の展開

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

問題37 次の記述のうち、この時点でのG精神保健福祉相談員の提案内容として、適切なものを2つ選びなさい。

人口40万人のN市では、市の自殺対策推進計画に基づいて、市保健所が中心となり自殺対策を推進している。中学生の自殺報道が続いたため、市の中学校関係者や住民より、「自殺の連鎖が起こらないよう、取組を強化してほしい」と、市保健所へ要望が相次いだ。自殺対策の担当であるG精神保健福祉相談員は、市自殺対策推進会議で、児童生徒など若年層への予防的取組の強化を提案することとした。

次の記述のうち、この時点でのG精神保健福祉相談員の提案内容として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 教師を対象とした、ゲートキーパーの養成研修を開催する。
  2. 自殺の相談は、保健所での来所面接で一括して対応する。
  3. 自殺の危険性が高い人の早期発見は、精神保健福祉士の固有の役割であることを広報する。
  4. メディアリテラシー教育とともに、情報モラル教育及び違法・有害情報対策に協力する。
  5. 自殺の連鎖を防ぐため、自殺の場所や手段などの詳細を繰り返し伝える。

設問について

自殺対策についての理解が問われる問題。
中央法規「課題と支援」テキスト第3版p240~等。

上記の「メディア関係者に知ってもらいたい基礎知識」の「自殺に関する責任ある報道:すぐわかる手引」に、やるべきこととやってはいけないことが6つずつ述べられている。近年の自殺についての(特にNHKの)報道を思い出すと、納得。

やるべきこと

  • どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供すること
  • 自殺と自殺対策についての正しい情報を、自殺についての迷信を拡散しないようにしながら、人々への啓発を行うこと
  • 日常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道をすること
  • 有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること
  • 自殺により遺された家族や友人にインタビューをする時は、慎重を期すること
  • メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識すること

やってはいけないこと

  • 自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと
  • 自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと
  • 自殺に用いた手段について明確に表現しないこと
  • 自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと
  • センセーショナルな見出しを使わないこと
  • 写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと

各選択肢について

選択肢1:教師を対象とした、ゲートキーパーの養成研修を開催する。

自殺総合対策大綱>重点施策「自殺対策に関わる人材の確保、養成及び資質の向上を図る」の中に、「教職員に対する普及啓発」「ゲートキーパーの養成」がある。

日頃からこども・児童と接する教師がゲートキーパーの養成研修を受けることは、自殺防止に効果的と思われる。

選択肢2:自殺の相談は、保健所での来所面接で一括して対応する。

×

自殺総合対策大綱に施策として、「相談体制の充実と相談窓口情報等の分かりやすい発信、アウトリーチ強化」「SNS等を活用した相談事業支援の拡充、ICTを活用した情報発信を推進」「民間団体の相談事業に対する支援 ・多様な相談ニーズに対応するため、SNS等を活用した相談事業支援を拡充」「性と健康の相談センター事業等による支援を推進」等が挙げられている。

選択肢3:自殺の危険性が高い人の早期発見は、精神保健福祉士の固有の役割であることを広報する。

×

自殺総合対策大綱>重点施策「国民一人ひとりの気付きと見守りを促す」とある。また、ゲートキーパーは精神保健福祉士のみの役割ではない。

選択肢4:メディアリテラシー教育とともに、情報モラル教育及び違法・有害情報対策に協力する。

児童生徒の自殺対策に資する教育の実施として「メディアリテラシー教育とともに、情報モラル教育を推進する」、社会全体の自殺リスクを低下させる>インターネット上の自殺関連情報対策の推進で「青少年がインターネットを利用して有害な情報を閲覧する機会をできるだけ少なくするためにフィルタリングの普及を図るとともに、インターネットの適切な利用に関する教育及び啓発活動の推進等を行う」等。

選択肢5:自殺の連鎖を防ぐため、自殺の場所や手段などの詳細を繰り返し伝える。

×

前述の通り、「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識2017年」では、やってはいけないこととして、自殺に用いた手段について明確に表現しないこと、自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないことが挙げられている。

正答

1(教師を対象とした、ゲートキーパーの養成研修を開催する。)
4(メディアリテラシー教育とともに、情報モラル教育及び違法・有害情報対策に協力する。)

第23回 精神保健福祉士 国家試験 全問題はこちら

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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