こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
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問題38 次のうち、アンソニー( Anthony, W.)らの提唱した精神科リハビリテーションの基本原則に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。
- 様々な技法を駆使するよりも、特定の技法を適用する。
- 障害のレベルに応じて、本人の参加の可否を判断する。
- 生活能力の向上よりも、症状の軽減を優先する。
- 熟慮した上で依存を増やすことは、結果的には本人の自立につながる。
- 本人の技能開発の積み重ねが、回復の十分条件となる。
設問について
精神科リハビリテーションの基本原則について、特にアンソニーの基本原則についての理解が問われる問題。
中央法規当該科目テキストI第2版p119。
アンソニーの基本原則は下記の通り。
- 精神科リハビリテーションの最大の焦点は、精神障害を抱えた人の能力を改善することである。
- 当事者からみた場合、精神科リハビリテーションのメリットは、必要とする環境における自らの行動が改善されることである。
- 精神科リハビリテーションは、さまざまなテクニックを駆使するという意味で臨機応変である。
- 精神科リハビリテーションの焦点は、精神障害を抱えた人の職業上の予後を改善することである。
- 希望は、精神科リハビリテーションの構成要素として不可欠である。
- 熟慮したうえで当事者の依存度を増やすことが、究極的には自立につながることがある。
- 当事者のリハビリテーションには、本人を参加させることが望ましい。
- 当事者の技能開発と環境的支援開発が、精神科リハビリテーションの二大介入である。
- 長期の薬物療法はリハビリテーション介入の要素として必要条件となることが多いが、リハビリテーションは薬物療法だけでは完結しないということもあり、十分条件であることはまれである。
各選択肢について
選択肢1:様々な技法を駆使するよりも、特定の技法を適用する。
×
アンソニーの基本原則3「精神科リハビリテーションは、さまざまなテクニックを駆使するという意味で臨機応変である」。
選択肢2:障害のレベルに応じて、本人の参加の可否を判断する。
×
アンソニーの基本原則7「当事者のリハビリテーションには、本人を参加させることが望ましい」。
選択肢3:生活能力の向上よりも、症状の軽減を優先する。
×
アンソニーの基本原則1「精神科リハビリテーションの最大の焦点は、精神障害を抱えた人の能力を改善することである」。
選択肢4:熟慮した上で依存を増やすことは、結果的には本人の自立につながる。
〇
アンソニーの基本原則6。
選択肢5:本人の技能開発の積み重ねが、回復の十分条件となる。
×
アンソニーの基本原則8「当事者の技能開発と環境的支援開発が、精神科リハビリテーションの二大介入である」および9「長期の薬物療法はリハビリテーション介入の要素として必要条件となることが多いが、リハビリテーションは薬物療法だけでは完結しないということもあり、十分条件であることはまれである」。
正答
4(熟慮した上で依存を増やすことは、結果的には本人の自立につながる。)