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《福祉職員・支援員》自分教育プロジェクト【入職初期1か月の目標編】

メモ帳とペンの画像

こんにちは、ブジカエルです。

福祉転向より約1年、勤務先(就労移行支援)で研修もOJTもろくにないので、自分で自分を教育しています。

この記事では、現場未経験の福祉職員が入職初期(1か月間)に意識して実践するべきことをまとめました。

挙げてみたら意外とてんこ盛りになりました。

目次

出典

今回は、社会福祉士養成コースのテキストを出典としました。

実習生に求められることは、入職初期に求められることとかなり共通していると思われたので。

関係形成

対利用者、職員、グループ、地域住民等

ポイント

  1. 出会いの場面における、関係形成のための適切な対応
  2. 相手の状況に合わせて会話を継続
  3. 相手に合わせた言語コミュニケーション技術の理解、活用
  4. 相手に合わせた非言語コミュニケーション技術の理解、活用

円滑な人間関係を形成

ポイント

  1. 自分が関わりやすい人だけではなく、不特定の人に関わる
  2. 対応が困難な利用者への関わり方について、上司や先輩職員にスーパービジョンを求める
  3. 不特定の利用者と会話をしたり寄り添ったりするなど、その人に合った関係形成の方法を学ぶ

利用者との援助関係の形成の意味と方法を学ぶ

ポイント

  1. 援助関係を形成するということの意味を理解し、説明できるようになる(個別性の尊重、共感的理解、自己決定、人権尊重、等)
  2. 勤務先における多様な面接の形態や構造を理解し説明できるようになる
  3. 利用者との多様な場面(遊び、作業、ケア、地域支援など)を通して援助関係形成を意識して関わることができるようになる
  4. 面接技法を活用し、利用者に関わることができるようになる

上記を実践するために

  • 援助関係を形成する際のポイントや配慮を意識する
  • 利用者と直接話をする、利用者に寄り添う、利用者と同じ時間を過ごす、利用者と一緒に作業をする、利用者と一緒に遊ぶ、居室や自宅を訪問する、ボランティア活動、住民活動等のプログラムを通じて援助関係形成に取り組む
  • (機会があれば)面接、アセスメント、支援計画作成、説明の過程を通じて援助関係形成に取り組む
  • (面接の機会があれば)ケースワークの原則や傾聴・要約・解釈・明確化・促し・沈黙・繰り返し・共感等を意識する

利用者理解、需要の把握、及び支援計画の作成

利用者理解

ポイント

  1. 面接や日常生活の観察を通じて利用者を理解する
  2. 利用者理解の方法を職員の対応や記録から学び、特徴を説明できるようになる
  3. 利用者の状況や機関・施設の環境、利用者への関わりを理解し、説明できるようになる

上記を実践するために

  • 利用者の理解の方法に関するスーパービジョンを受ける
  • 上司や先輩職員の利用者理解の実践を観察する
  • 利用者理解の要点や配慮すべき点等を説明できるようになる

利用者と家族の関係を学ぶ

ポイント

  1. 利用者の家族が抱える問題(課題)を把握し、ニーズを確定できるようになる
  2. 担当する利用者(特定ケース)と家族との関係性をエコマップやジェノグラムを活用し、説明できるようになる

上記を実践するために

  • 利用者と家族の面会場面への同席、家族会への参加、送迎時の場面や会話を観察する
  • (機会があれば)家族・親族・友人等との面接を行う
  • 利用者の家族ケース記録、家族会の議事録等を閲覧する

利用者の動向や利用状況を把握

ポイント

  1. 機関・施設の数年分の入退所の動向や利用状況を確認し、特徴や傾向等について考察
  2. 1を踏まえて考察したことや分析したことを説明できるようになる

上記を実践するために

  • 事業報告書、月次報告書、実績報告書、調査報告書等を閲覧、確認する
  • 資料を閲覧して得た内容を整理し、上司や先輩職員に確認させてもらう

利用者や地域住民等へのアセスメントとニーズ把握の方法を学ぶ

ポイント

  1. 勤務先で用いているアセスメント・ツールの枠組みに沿って利用者を客観的に把握し、利用者の全体像を説明できるようになる
  2. 担当する利用者(特定ケース)の問題を把握し説明できるようになる
  3. 担当する利用者(特定ケース)のニーズを確定し、根拠または理由を示して説明できるようになる

上記を実践するために

  • 現在または過去の利用者のアセスメント・シートを用いて、アセスメント・シートの構造や使用方法を学ぶ
  • 現在または過去の事例記録から数例を選択し、アセスメントのポイント、手順等を整理する
  • 担当する利用者のアセスメントを実施する
  • アセスメントの結果について適宜スーパービジョンを実施する
  • アセスメントをするための面接機会を設ける(職場の状況が許せば)
  • アセスメントの結果や確定したニーズ等について説明を受ける(職場の状況が許せば)

個別支援計画等、様々な計画の策定方法を学ぶ

ポイント

  1. プランニングの重要なポイント、手順が説明できるようになる
  2. 利用者のアセスメントに基づいてプランニングができるようになる
  3. 担当する利用者(特定ケース)の支援目標を根拠を示して設定できるようになる

上記を実践するために

  • 現在または過去の事例記録を参考に、プランニングの様式、ポイント、手順等を整理する
  • 利用者のアセスメント結果に基づき、支援目標・支援計画を作成する
  • 作成した支援目標・支援計画についての説明を聴いてもらう(職場の状況が許せば)
  • 支援目標・支援計画についてスーパービジョンを依頼する(上司が協力的であれば)

モニタリングと評価方法を学ぶ

ポイント

  1. 利用者への支援やサービスに対するモニタリングができるようになる
  2. 利用者への支援やサービスの評価ができるようになる

上記を実践するために

  • 現在または過去の事例記録をもとに、モニタリングの目的や手順等を整理する
  • 一人の利用者に着目し、必要な支援に対するモニタリングを体験する
  • 支援内容や計画を評価する目的や方法に関する指導を受け、実際に評価する

相談援助で必要とされる知識と技術の活用方法

ポイント

  1. 勤務先の相談援助で用いられるツールを理解し活用できるようになる

上記を実践するために

  • 勤務先における相談援助の場面で活用されている知識と技術を理解する
  • 実際に相談援助で用いられるツール(アセスメントシート等)を活用する

利用者や関係者(家族等)への権利擁護及びエンパワメント実践

ポイント

  1. 勤務先における苦情解決の流れを説明できるようになる
  2. 勤務先における利用者への権利擁護の取り組みを説明できるようになる
  3. 勤務先におけるエンパワメント実践を抽出して説明できるようになる

上記を実践するために

  • 勤務先で実施している権利擁護、苦情解決の取り組みを通して権利擁護活動を学ぶ
  • 虐待防止三法に基づいた具体的な取り組みを学ぶ
  • 身体拘束防止のための検討会議等に出席させてもらう
  • 第三者評価を通して利用者の権利擁護の取り組みを理解する
  • 成年後見制度、未成年後見制度、権利ノートについて学ぶ
  • エンパワメントの観点から支援を分析し、勤務先の取り組みを知る
  • 利用者一人ひとりに着目し、事例を踏まえてエンパワメントの実践を整理し、上司に確認する(上司が協力的であれば)

福祉職員としての職業倫理、組織の一員としての役割・責任

職業倫理

  1. 他職員の業務を観察し、福祉職員の倫理判断に基づく行為を発見・抽出し、説明できるようになる
  2. 勤務中に体験した倫理的ディレンマを言語化できるようになる
  3. 個人情報保護・秘密保持の取り組みについて説明できるようになる

上記を実践するために

  • 勤務先の理念、行動指針等を読み理解する
  • ソーシャルワーカーの倫理綱領を読み理解する

就業規則、独自の行動指針について学ぶ

  1. 就業に関する規定などについて説明できるようになる

上記を実践するために

  • 入職時に教えてもらう
  • わからなかったら&気になったら質問する

秘密保持

ポイント

  1. 個人のプライバシー保護の必要性について説明できるようになる
  2. 勤務先における個人情報の取り扱いを個人情報保護法等に即して説明できるようになる
  3. 福祉職員として求められる個人のプライバシー保護のあり方、行為について説明できるようになる

上記を実践するために

  • プライバシー保護と守秘義務について理解する
  • 個人情報保護法をはじめとする関係法規(福祉事業者個人情報保護ガイドライン・実習先のプライバシーポリシー等)を理解する

組織の運営について知る

勤務先の組織構造及び意思決定過程を知る

ポイント

  1. 勤務先の意思決定過程(稟議の流れ等)、決議機関、委員会の役割等について説明できるようになる

上記を実践するために

  • 上司や先輩職員に意思決定過程について尋ねる
  • 各種委員会に同席させてもらう

勤務先の法的根拠、財政、運営方法等を知る

ポイント

  1. 勤務先の法的根拠及び予算・事業計画、決算・事業報告について説明できるようになる

上記を実践するために

  • 勤務先の法的根拠が記載されている文書について教えてもらう
  • 就職前に調べた事業報告書及び決算書について、不明な点を質問する

業務に必要な文書様式の記入内容・方法等を学ぶ

ポイント

  1. 勤務先で用いられる文書の種類・用途・管理方法について説明できるようになる
  2. 業務日誌・ケース記録の特性や書き方を説明できるようになる
  3. 日誌や記録類を適切に記入し管理することができるようになる

上記を実践するために

  • 勤務先で作成する文書について教えてもらう
  • 文書を媒介した情報共有・連携について教えてもらう
  • 業務日誌・ケース記録等の書き方について教えてもらう

勤務先と地域社会との関わりに関する理解

勤務先の地域の歴史や人口構造等を学ぶ

ポイント

  1. 勤務先のある地域の人口動態、生活状況、文化・産業などを説明できるようになる
  2. 地域と実習機関・施設の歴史的関わりについて説明できるようになる

勤務先地域の社会資源を知る

ポイント

  1. 勤務先地域の社会資源を列挙できるようになる
  2. 当該地域の地域福祉計画・地域福祉活動計画の特徴をあげられるようになる

上記を実践するために

  • 関係機関や住民組織が参加する会議や行事に参加する
  • 地域福祉計画・地域福祉活動計画を閲覧する
  • 分野別の諸計画を閲覧する

地域社会における勤務先の役割と働きかけの方法等を知る

ポイント

  1. 勤務先の当該地域への働きかけの必要性と方法を説明できるようになる
  2. 当該地域アセスメントを行うことができるようになる
  3. 当該地域におけるネットワーキングの実践を説明できるようになる
  4. 当該地域住民や当事者の組織化の方法を説明できるようになる
  5. 情報発信の意義と方法を理解できるようになる
  6. 勤務先が行う当該地域に開かれた行事の意義を説明できるようになる

上記を実践するために

  • 地域住民への働きかけの取り組み(地域組織化・当事者組織化・ボランティア組織化や事業企画実施等)について教えてもらう
  • 地域アセスメントの方法に関するスーパービジョンを受け実際に行う
  • 関係機関や住民組織、地域住民や当事者の組織の会議や行事に参加する
  • 勤務先の広報委員会や取材の場面に参加する
  • 勤務先の行事の実行委員会や準備委員会に参加する
  • 勤務先の行事に参加し、分担された役割を遂行する

勤務先の分野・地域社会等に関する基本的な理解

勤務先の分野・利用者について知る

ポイント

  1. 勤務先分野の利用者の特性を説明できるようになる
  2. 勤務先分野に関する機関・施設のサービスを、根拠法に基づいて説明できるようになる

上記を実践するために

  • 勤務先分野の利用者の状況を文献資料等に基づいて理解する
  • 勤務先分野の施設・機関のサービス実態を統計的に理解する
  • 利用者の実態を文献などにより、事例的に理解する

勤務先や地域等の援助課題、サービス提供の体制、関連機関等との連携のあり方を知る

ポイント

  1. 勤務先の職員構成について、設置基準等に基づく職員配置と、実際の状況について説明できるようになる
  2. 地域特性を整理し、説明できるようになる
  3. 勤務先が地域に対して担っている役割を説明できるようになる

上記を実践するために

  • 勤務先組織の運営管理や職員体制、提供される具体的なサービス内容・支援体制、利用者像を理解する
  • 勤務先の地域特性や社会資源などを理解する
  • サービス利用の手続き・方法について理解する

勤務先で行われる業務に関する基本的な理解

ポイント

  1. 勤務先における関連職種の配置や業務について知る
  2. 利用者の生活支援に対して、関連職種の業務内容を理解し、説明できるようになる

★その他関連職種(看護・心理・調理・栄養・リハビリ等)の業務も理解する

自分の記録

新人に研修日誌のようなものを課す現場もあると思います。

もし課されなくても、書いた方がいいのではないかと思います。

自分の業務について記録する目的

自分の学び、スキルアップのために他なりません。

それはつまり、利用者を支援するために必要な知識やスキルを高めていくことになりますが。

記録の内容

項目は概ね以下の通り。
必要に応じて取捨選択。

  1. 基本事項(年月日、天候、その日の勤務場所)
  2. その日の目標
  3. 業務内容(時程)
  4. 感じたこと
  5. 業務に対する疑問点、考察、まとめ
  6. 次日の目標
  7. 上司や指導者への質問とその回答
  8. 目標以外の学び

自分で勝手に書くものなので、上司や指導者自身が書く欄や氏名・押印の欄等はありません。

おわりに

社会福祉士は国家資格とはいえ、実習で学ぶことだし。
社会福祉士の実習って180時間だし。
180時間といえば、8時間勤務で1か月程度分くらいだし。

と思っていたら、意外や意外、かなりガッツリした、濃ゆい内容となりました。

私が就労移行支援事業所に入職してから約1年経ちますが、最近になってようやく感覚的につかめてきたようなことも含まれます。

言葉で学べれば数か月で腑に落ち会得していけることが、1年経っても十分にはわかっていない状況。情けない。

体系だった教育も研修もなく、現場で目の前のことを片付けるばかりになりがちな業務の中では、やはり伸びしろが伸びていかない。

時間がもったいない。
離職者が多いはずだ。
人材が無駄に疲弊する。

すべての福祉事業所に言いたい。
新人研修をちゃんとやりなさい。

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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