こんにちは、ブジカエルです。
福祉転向より約1年、勤務先(就労移行支援)で研修もOJTもろくにないので、自分で自分を教育しています。
この記事は、福祉職員初任者(入職から1年以内の者)のキャリアデザインとセルフマネジメント(自己管理)についてまとめました。
教材
教材は、「《福祉職員・支援員》自分教育プロジェクト【資料編】」の記事にも掲載した、『福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程テキスト』の初任者編です。
自分の教育は当分、このテキストに沿って進めていこうと思っています。
色々読みましたが、福祉職員として自分が今後どのように成長・ステップアップしていけばいいのか、という疑問に的確に応えてくれるものは、今のところこのテキストが唯一のものなので。
自分の就労動機、志
今後、福祉職員として働く中で「もう嫌だ」「やめたい」なんて思ったときに立ち返るところになる部分と思われます。
利用者さんが希望するように自分の人生を築いていく、その支援したい、という思いを今は強く持ってます。福祉の中で働き続けていこうと思う動機としては、
- 福祉の理念に心底共感
- 利用者さんの人生の大切な時間を共に過ごさせてもらえるのはとても尊いと思う
- 私自身が人として成長させてもらえる実感がある
- 利用者さんの支援は楽しい=自分に合っていると思う
なんてこともあります。
でも入職当初の動機として、業界や職種への思い入れはさほどありませんでした。
国家資格キャリアコンサルタントの資格を取ったはいいけれども、実務経験を積む場所がない。資格があっても未経験だとかなり厳しい。未経験OKの求人があっても、人材紹介とか派遣会社のキャリアアドバイザーとか営業とか。そういう仕事は好みではない。
キャリコン資格が役立って、未経験OK、月の売り上げ等のノルマにしばられず本当にその人のためになる支援ができて、短い通勤時間で通えるところで、というと就労移行支援の支援員はほぼ唯一の有力候補でした。
就活準備や就職活動、定着支援はキャリコンの使命そのものだし。
そんな次第で、福祉についてはそんなに深く考えることなく就労移行支援事業所に入職したのですが、福祉は本当に素晴らしい!です。私は運がいい。現職場の教育研修体制は最悪だけど、業界はきっと私に合っている。
利用者さんと、色んなことで一喜一憂して共に過ごすのは、本当に楽しいです。訓練室はいつも笑顔と笑いでいっぱい。毎日こんなに楽しくてお給料がもらえるって素晴らしい。
だからこそ、支援員として成長したいという思いが強くなりました。
仮に私が半人前の未熟な支援員のままであっても、利用者さんたちは優しいから受け止めてくれるし、しっかり成長して前に進んでいってくれるとは思うのですが。
利用者さんたちが、生きづらさがある中でも、希望を叶えながら自分の人生を築いていく、その支援をしたいです。
福祉サービスの特性を確認
福祉サービスの目的や特性と、自分の実践をつなげます。
まず、福祉サービスは「生活の支援を必要とする人々に対する専門的なサービス」であり、ホテルや店舗における一般的な接客業、対人サービスとは異なる理念や目的があります。
(福祉サービスの基本的理念)
第三条 福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。出典:社会福祉士法
常に変わっていく社会の中で、制度や世間の理解が追い付かず生活に支障が出る人は今後ますます増えるかもしれません。また、福祉先進国からは50年ほども置いてけ堀にされてしまっている日本の福祉において、微力ながらも尽力したいと思うのです。
また、学ぶべきことの範囲がとても広く、かつサービスの質や効率の向上が常に求められる福祉において、知りたがり&学びたがり、向上心&成長志向強めの特性は特に活かされるのではないか理解しました。
福祉の担い手としてのキャリアデザイン
福祉サービスの担い手としてのキャリアは、以下2側面で考えます。
- 専門スキル・実践能力
- チームケアの一員
専門職としてのキャリア
専門スキル・実践能力に関するキャリア。
専門資格を取得、それを活用&深化させて、専門性を究めて活用していく道筋。
私の場合
社会福祉士をベースに、途中、相談支援専門員とか、サービス管理責任者とか、取っていけるといいかな、と考えています。
でも、実践によるスキルアップが伴わないことには意味がないなぁと思うことしきり。
取った資格(取るために勉強したこと)が活かされる業務に就いていないと、あまり意味がないのではとも思ってしまいます。例えば、社会福祉士の資格取得者が介護助手をずっとしているとか。極端ですが。
業務に臨む意識次第というところも、もちろんあるのですが。
チームの一員としてのキャリア
組織の中で担う職位・職責・職務の道筋。
一般的には、初任者→中堅→チームリーダー→管理職→上級管理職、等のキャリアパスが想定されます。
各ステージで求められる役割行動(他者期待)を適切に遂行していくために、メンバーシップやリーダーシップの醸成が期待されます。
また日常の業務の中では、チームの一員として担当する仕事それぞれに求められている役割行動、業務定義書やチームの共有知をしっかり理解して、確実に仕事を遂行していく必要があります。
初任者のキャリアステージにおいては、他者期待に対応し、自信と関係性を培うことが大切な目標となります。そのポイントは以下の通り。
- 指示指導を受けながら担当業務や役割を理解し適切に実践する
- 利用者の安全安心を損なうことのないよう基本的なことを習得する
- 人間関係の形成を意識して職場に馴染み順応する
- 一人一人の人格や個性を尊重し、円滑なコミュニケーションをはかる
- 課題や目標に向かうチームワークに主体的に参画する
私の場合
現在の勤務先(就労移行支援事業所)では私が入社した頃、支援員の基本的な職務も整理されていませんでしたが、初任者や中堅職員に求められる役割行動もカケラも明らかにされておらず、当然職員間で共有されていないので、混乱を極めていました。もう大混乱。
そういうこともあって、入社早々に社内の大整理を行いつつ、自分教育プロジェクトを立ち上げた次第です。
初任者のキャリアステージ&デザイン
初任者のキャリアステージで大切なことは以下の通り。
- 福祉サービスの担い手としての理念、倫理を押さえる
- (特に新卒者)社会人・職業人・組織人としての意識を醸成する
- 専門的なサービスの担い手であるという自覚を持つ
- 求められる役割行動を正しく認識する
- 求められる役割行動を実践できるようになるための基本を習得する
- 指示・指導を受けながら職場生活に適応する
- 担当する仕事をつつがなく処理できるようになる
初任者がキャリアデザインを描く上で大切なことは以下の通り。
- 現在のステージで求められる役割を明確にする
- 現在のステージで求められる自己啓発課題を明確にする
- 現在のステージで必要な準備をする
- 様々な出来事を経験しながら現在のステージに順応する
- 色々あるだろうけど安定化への経路を展望する
- 中長期のビジョンを描く
- 次のステージへの基礎作り・準備を行う
初任者としてキャリアデザインを検討
初任者として自分のキャリアデザインをするということで、まずは自己イメージを明確にします。
自分のキャリアを振り返りながら、これからの道筋を描くわけです。
1年後、2年後、5年後、10年後。
どのような職業人生をイメージできるかな。
次の4つの問に答えます。
①できることは何か(持ち味・能力)
これまでに経験し、学び、培ってきたもの。
自身の性格、パーソナリティ。
周囲の人からフィードバックされるポジティブな部分、強味、持ち味。
私の場合
学び好き・向上心・ユーモア・優しさ・思いやり・繊細・気付く・共感・傾聴
②やりたいことは何か(動機・欲求)
難しく考えず、「こんなことをしてみたい」をリストアップ。
私の場合
- 利用者さんと遊ぶ
- 利用者さんと調理する
- 利用者さんの意思決定を支援する
- 利用者さんの行動を応援、支援する
- JICA
③意味をかんじることは何か(志、価値観)
福祉サービスを仕事として選んだ動機に関連することかもしれません。「仕事で達成したいこと」等をリストアップ。
私の場合
- 利用者さんが希望するように自分の人生を築いていく、その支援
- 福祉の理念の実践
- 利用者さんの人生の大切な時間を共に過ごす
- 支援を通して、人としての成長
- 楽しさ(やっぱり仕事は楽しくないと。)
④どのような関係をつくり、生かしたいか
他者との関係や関わり方について。
私の場合
- 上司:尊敬、安心・安全
- 先輩:尊敬、切磋琢磨、安心・安全、相談しやすい
- 同僚:切磋琢磨、何でも相談、たまには愚痴の言い合い
- 他チーム・他部門:尊重し合う、向上のための交流
- 利用者:一緒にいて楽しい
- 利用者家族:安心・安全
- 地域の関係機関・他組織:利用者主体でゆるやかにつながり、研修等の交流
- 家族:支え合い、何でも話せる、安らぎ
- 友人:支え合い、何でも話せる
- 趣味・資格の仲間:支え合い、切磋琢磨、
私のキャリア・メッセージ
今の気持ち、これからの自分を率直に表現し、自己イメージと未来への意思を明確にします。
私の場合
私は本当に真面目だなぁというのが今の気持ち。
きっちりしっかりやっていこうという思いが強いから、それが自分にとってもきっと周囲にとってもストレスになるのでは。
利用者さんへの思いは本物だし、真剣に仕事に取り組むのは悪くはないけれども、もう少し肩の力を抜いて、福祉サービスに長く従事できるように自分で工夫した方がいい。ただでさえ燃え尽き症候群の発生しやすい職種なのだから。
今の調子で業務に取り組んでいれば、成長は勝手にしていきそう。自信を持って色々なことにチャレンジしていけばいい。ただし、周囲の人に(職場や家庭で)随時報連相すること。自分からの発信を常に心がけられたい。
キャリアビジョンを描き、アクションプランを策定
5年後、10年後、さらに中長期の視点で自分の職業人生の到達イメージを描きます。
そのための準備として、前述の4つの問いを前提に、次の4つの項目についてこれから取り組みたいことをリストアップします。
- 利用者やその家族との関わり
- 組織やチームの一員として
- 地域や関係機関との関わり
- 自身の能力開発、資格取得
私の場合
資格取得以外描けない・・
職場にロールモデル的な存在がいたことがないから?
これらについて描くための材料が圧倒的に足りない。
これが描けないから、自分の成長イメージがわかなくて、ずっともやもやしていたのではないかと思ったのでした。
これは・・おいおい考えていきます。
資格取得はだいたい決まっています。
2023年 社会福祉士取得
2024年 精神保健福祉士取得
2029年までに 公認心理師取得
心身の健康管理、自己管理
ポイントは以下の通り。
- 休養
- 栄養
- ストレス対処
支援者自身がそれなりに自分の心身は健康であると感じられていないと、支援ができない気がします。
おわりに
第1章のキモとも言える、「キャリアビジョンを描き、アクションプランを策定」の部分がまるっと抜け落ちてしまいましたが、福祉サービスの担い手としての基本中の基本は、ある程度押さえられたのではないかと思います。
今まで腑に落ちなかったこと、疑問に思っていたことの整理が少し進んでスッキリしました。
時々こうして原点を振り返るのは必要ですね。
お付き合いいただきありがとうございました。