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精神衛生・精神保健|精神保健福祉士なら知っておきたい、精神保健の歴史や概念について

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。

この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。

↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題

目次

精神衛生と精神保健の違い

「精神衛生」は、英語で「メンタル・ハイジーン(Mental Hygiene)」。
精神障害の発生に関する疫学と予防、治療やリハビリテーションに関する学問と実践活動を指す。

「精神保健」は英語で「メンタル・ヘルス(Mental Health)」。
人々の精神的健康を対象とする学問と実践活動を指し、精神的健康の保持・増進を図る・精神健康障害の予防と健康回復、精神障害の治療、リハビリテーションを目的とする。

精神保健は精神的な健やかさを対象としていて、人の健康に関わる学問分野が総合される。
医学や心理学、社会学や社会福祉学の学問的背景があり、社会の価値観や個人の倫理観、あるいは生きがいにかかわる問題も含む。

コトバンク「精神保健」のページ

日本における「精神衛生」の歴史的発展

「精神衛生」という言葉を捉える上では「公衆衛生」に関する知識がベースにあると良さそう。
日本では、
1946年(昭和21) 新憲法の制定で国に公衆衛生向上の努力義務が課せられ(日本国憲法第25条)。
1950年(昭和25) 精神衛生法制定
という流れがあったことを押さえておきたい。

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

e-gov 日本国憲法

戦後、公衆衛生の向上増進を国の責務とした日本国憲法が成立したことを受け、精神障害者に適切な医療・保護の機会を提供するため、旧二法が廃止され、「精神衛生法」が昭和25年に制定されました。

厚生労働省>精神保健福祉法について

公衆衛生の定義

日本国憲法第25条で国の責務とされた「公衆衛生の向上と増進」。
「公衆衛生」についても浅くさらっておく。

公衆衛生の定義としてはC-E. A. Winslow(1877〜1957年,米国)による以下の文言が有名である.すなわち,“The science and art of preventing disease,prolonging life,and promoting physical and mental health and efficiency through organized community efforts for the sanitation of the environment,the control of community infections,the education of the individual in principles of personal hygiene,the organization of medical and nursing service for the early diagnosis and preventive treatment of disease,and the development of the social machinery,which will ensure to every individual in the community a standard of living adequate for the maintenance of health(1920年)”,「公衆衛生を,組織化された共同体の努力を通じて,疾病予防,寿命の延伸,肉体的・精神的な健康と効率の増進をはかる科学と技術である」と定義して,その努力に,環境の浄化,共同体の感染症制御,個人衛生の原則である個々人への教育,早期の診断と疾病予防治療のための医・看護サービスの組織化,そして共同体のすべての個々人が健康保持に適切な生活水準を保証するための社会組織の発展をあげている.

『新編 衛生学・公衆衛生学』2021年2月、医歯薬出版

「精神保健」の定義

精神保健(メンタルヘルス)とは。

人々の健康のうち、精神面の健康を対象として、精神障害を予防または治療し、精神的健康を保持増進させる諸活動をいう。

広義の精神保健は、社会の全構成員を対象としており、一人ひとりが著しい不適応状態に陥ることなく、精神の健康を維持し向上させていく取り組み(以下略)

『精神保健福祉用語辞典』

精神保健とは、人々の健康のうち主として精神面の健康を対象とし、精神障害を予防・治療し、または精神的健康を保持・増進させる諸活動

『我が国の精神保健福祉(精神保健福祉ハンドブック)』

狭義の精神保健は、精神面での健康を崩した人を対象とし、早期発見・早期治療のもと、その人たちが自身の能力を最大限に発揮し、自分の望む人生を生き生きと歩んでいくことを目指す取り組み。

広義の精神保健は、全ての人々を対象とする概念であることがわかります。

吉川武彦らによる精神保健の概念

吉川先生らによる精神保健の3つの側面からの概念化は以下の通り。

  1. ポジティブメンタルヘルス(積極的精神保健)
  2. サポーティブメンタルヘルス(支持的精神保健)
  3. トータルメンタルヘルス(総合的精神保健)

メンタルヘルスには三分野あることを示しておこうと思う(表ー1)。その一は、ポジティブメンタルヘルス(積極的精神保健)という考えである。これはひと言でいえば、いまある心の健やかさをより高め、あるいは維持していくための理論や実際活動を指す。その二は、サポーティブメンタルヘルス(支持的精神保健)で、心悩ませ、心を乱し、心を痛め、心を病んでいる人々にどのようなサポートが必要であるのかということを理論的に、また実際活動としてそれを行うことをいうものである。その三は、トータルメンタルヘルス(総合的精神保健)という理論と実際を指している。トータルメンタルヘルスは社会のあり方であるともいえ、今日的にいえば、老いてもボケても地域で生きられる地域社会づくりを目指すものである。それは当然のことながら障害をもつものももたざるものも共に生きていくという地域づくりを目指すものでなければならない。そしてさらに、精神障害をもつものも共に生きる地域社会づくりを目指している。

横浜市『調査季報』(調査季報104号・特集/都市生活とメンタルヘルス(1898年12月発行))

吉川先生らによる概念化が2012年に発表されたそうですが、そのものズバリの文献がわからなかったので、内容がわかる別の資料から引っ張ってきました。

横浜市のサイトで、調査季報の発行年が1898年になっていました。
面白いのでそのままコピペしました。

精神医学における「予防」の概念

カプラン(Caplan, G.)が精神医学の領域に初めて予防の概念を取り入れた。
主著書:
『予防精神医学』(1964)
『地域精神衛生の理論と実際』(1997)

『予防精神医学』(1964)によれば、第1次~第3次予防でそれぞれ以下の点に重点を置く。

1次予防 精神障害の発生予防
2次予防 精神障害を発症した人の早期発見・早期治療
3次予防 精神障害者の社会復帰の促進・リハビリテーション

呉秀三(1865~1932)

  • 松沢病院 第5代院長
  • 「我邦十何万ノ精神病者ハ実ニ此病ヲ受ケタルノ不幸ノ外ニ,此邦ニ生レタルノ不幸ヲ重ヌルモノト云フベシ。精神病者ノ救済・保護ハ実ニ人道問題ニシテ,我邦目下ノ急務ト謂ハザルベカラズ」(『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』1918年)
  • 肖像(国会図書館)

ビアーズ(Beers, C.)

ビアーズ【Clifford Whittingham Beers】

1876‐1943
アメリカの精神衛生運動家。コネティカット州生れ。イェール大学卒業後,ニューヨークの保険会社に勤めたが,就職後3年にして鬱(うつ)病と思われる状態に陥り,1900年自殺を企て精神病院に入院させられた。数ヵ所の精神病院に転院したが,病院における患者の扱いは暴行,強圧に満ちており,退院後この現実を社会に訴えようと思い,05年から手記を書きはじめた。これが08年に出版された《わが魂に会うまで》(1908)で,その後大いに版を重ねた。

コトバンク>ビアーズ(英語表記)Clifford Whittingham Beers

まとめ(というかなんというか)

社会福祉士の勉強の時は、範囲が広かったのでしゃぶり尽くすといっても浅い理解に止まりました。

今回、精神保健福祉士の勉強にあたっては、少し余裕がある気がするので丁寧に勉強していますが、やはり学び(リターン)が大きいという実感があります。
調べている間に、色々な文献を知ることができるのも、その一つ。

時間切れになるまで丁寧な学びを続けていきたいと思います。
が、いつまで続けられるか・・

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学11年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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