こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月、社会福祉士の試験に合格したと思われるので、精神保健福祉士国家試験に向けての学びを始めました。
この記事では、過去問題をしゃぶり尽くします。
↓過去問題はここ↓
社会福祉振興・試験センター>精神保健福祉士国家試験>過去の試験問題
※この記事は成長途上です。
国際連合
国連決議「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」(1991 年)
全文はここ(医療観察法.NET)で読めます。
この決議には、25原則に及ぶ具体的な人権基準を定めた附属文書が付されている。これは1978年以来十数年に渡り、国連差別防止小委員会、同人権委員会等において、WHOを含む多くの国際機関、ICJを含む多くの国際NGO等の協力、参加を得て検討の上完成された、貴重な成果である。
日本弁護士連合会:国連総会の「精神病者の保護及び精神保健ケアーの改善」に関する決議について
世界保健機関(WHO)
世界保健機関(WHO)は国連の専門機関で1946年設立。
WHOの活動や報告についてはは動向を把握しておきたい。
WHO(World Health Organization)公式ウェブサイト
メンタルヘルスアクションプラン 2013-2020
2013年のWHO総会で採択された行動計画。
「No health without mental health(メンタルヘルスなしに健康なし)」を原則に、ビジョンや目標、分野横断的原則などを定めて、2020年までの到達目標が提案されている。
WHO加盟国すべてに、専門的な助言・指導のもと、国レベルでのアクションプラン策定が勧められている。
メンタルヘルスアクションプラン2013-2020(日本語版PDF)
コンプリヘンシブメンタルヘルスアクションプラン 2013-2030
上記「アクションプラン 2013-2020」の後継、と言えるかどうかは知らないけれども、2013年5月に第66回世界保健総会で採択されたもの。
前身の計画に基づいて構築されており、加盟国、WHO 事務局、国際的、地域的、国内的パートナーがすべての人のメンタルヘルスと福祉を促進し、メンタルヘルス状態を予防するための明確な行動を設定しています。リスクのある人々を対象とし、精神保健サービスの普遍的な補償を実現します。更新された行動計画には、新しい指標と実施オプションが含まれていますが、元の 4 つの主な目的は変更されていません。メンタルヘルスのためのより効果的なリーダーシップとガバナンス。地域社会に根差した設定で、包括的で統合されたメンタルヘルスおよびソーシャルケアサービスを提供する。促進と予防のための戦略の実施; 情報システム、エビデンス、研究の強化。
WHO>Comprehensive Mental Health Action Plan 2013-2030
メンタルヘルスアトラスプロジェクト
中央法規当該科目テキスト第3版p344~。
メンタルヘルスアトラスプロジェクトは、世界のメンタルヘルス資源を地図にするプロジェクト。
WHOのすべての加盟国と地域に調査票を送付し、世界各国・地域の精神保健システムの現状を把握するために、精神保健医療に関する政策や計画、予算、精神医療体制等に関する情報についてのデータを収集、公開する取り組み。3年ごとに行われる。
2021年にWHOが発表した 171 カ国のデータを収録した新しい報告書「メンタルヘルス ・ アトラス」は、COVID-19パンデミックにより必要なメンタルヘルスサービスが世界的に提供されていない状況を示す。
WHOの該当ページ
イタリア
1978年にはイタリア精神科医療の方向性を大きく変える法律が制定された。180号法(バザーリア法)である。
小田晶彦「イタリア精神科医療における脱施設化を考える―イタリア精神科医療施設を視察して―」(『精神神経学雑誌』第120巻第8号、2018年)
フランス
セクター制度
第二次世界大戦後に推進されてきた、精神科医療システム。
中央集権的な精神科病院中心の医療に代わる制度として、人口約7万人をひとつの地域として、地域ごとに精神障害者のための医療や地域生活のための設備を整えたもの。
フランス精神医療の原動力は、フランス革命において主張されてきた「自由」や「平等」といった理念にある。現在のフランスでは、セクター制度という独自の制度を取り入れて精神医療が成り立っているが、この制度もそのような理念の上に立脚している。
須藤葵「フランス精神医療法を通して見る精神医療制度の課題」(『法政理論』第39巻第3号、2007年)
イギリス
精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク
イギリスで1999年に発表された、精神保健に関する10年計画。
- メンタルヘルスの増進
- プライマリヘルスケアとサービスへのアクセス
- 重い精神障害のあるひとへの効果的なサービス
- 介護者へのケア
- 自殺予防
上記の5つの領域における、
以下の7つの基準(精神保健サービスを近代化するための 7つの全国的な基準)が示された。
- 精神的健康の増進
- プライマリー精神保健ケア
- サービスの利用
- 専門家によるケア
- 病院と危機対応住居
- 家族(carers)への支援
- 自殺防止
それまで経済的効率を重視しすぎたサッチャー政権の施策のために荒廃した医療と福祉を,1997年に誕生したブレア政権が「公正」と「効率」の双方を重視した新しい施策へ転換したことから始まるなどの解説がされている。
松原三郎「書評『英国保健省 精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク5年の経過』」(『精神医学』48巻・7号、2006年7月)
日本でも精神保健分野の改革が繰り返され,「入院医療中心から地域生活中心へ」と移行する「改革」がうたわれてはいるが,「失望の連続」,「その道筋が見えてこない」と訳者たちは感じていた.そんな訳者らは NSF を読み,そこに示された戦略や 3 年間で 7 億ポンド(1,400 億円)もの追加投資,精神科専門医 25%増,そして何より,史上最低の自殺率などの成果を 5 年の間に実際にあげていることを知ったとき,「まるで別世界」と「深い感銘を覚え」,「感動的ですらある」と感じ,翻訳を決意されたという.
近藤克則「英国保健省 精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク ― 5 年間の経過」(『総合リハビリテーション』34 巻3号、2006年3月)
アメリカ合衆国
ファウンテンハウス
1948年、アメリカのニューヨークでファウンテンハウスの活動が始まった。
「精神疾患及び知的障害に関するケネディ大統領教書」
1963年。
立命館大学生存学研究所のホームページ(http://www.arsvi.com)で読めます。
精神病・精神薄弱に関するケネディ大統領教書
DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)
「DSM(Diagnostic and statistical Manual of Mental Disorders)」は、アメリカ精神医学会による、精神疾患の診断分類・基準の1つ。
1952年 第1版(DSM-Ⅰ)刊行。
1980年 第3版(DSM-III)では、新しい診断法として五つの軸で構成される「多軸診断システム」と「操作的診断基準」が導入された。
ヘルシーピープル
原型は1979年の「アメリカ公衆衛生局長官報告書(Health Pople – The Surgeon General’s Report on Health Promotion and Desease Prevention)」。
2010年12月に、今後10年間の米国の健康政策の指針をまとめた「ヘルシーピープル2020」を米国保健社会福祉局が公表。理想を高くし過ぎた2010年版を教訓に、2020年版は現状に即した目標設定となっているのだとか。
医療および予防医学の専門家をはじめ、連邦や州の政府当局、2000を超える関連団体が議論を重ねたうえ、一般から寄せられた8000を超えるコメントを検討して作成されたそうで・・2010版にはなかった追加項目は、【思春期の健康、血液疾患と血液の安全、アルツハイマー症を含めた認知障害、小児期の初期と中期、ゲノムの機能や構造の解説、グローバル ヘルス、健康がらみの生活の質向上、看護関連の感染症、同性愛者・バイセクシュアル・性転換者の健康、高齢者の健康、流行疾患などの緊急事態への予防と準 備、睡眠障害などを含めた睡眠に関する健康、公共の場における健康】。
参考
約20年前と古めの資料ですが、面白そうな内容が他にもあったのでメモ。
厚生労働科学研究成果データベース>地域保健行政の再構築に関する研究
ヘルシーピープルに関連する箇所は、200401309A0012.pdf および 200401309A0013.pdf。
カナダ
ラロンド報告
第2次大戦後、臨床医学はめざましい技術革新を遂げ、病気の治療に貢献してきた。1970年代になると、臨床医学は更に高度化され、種々の新しい治療法が開発された。しかし、一方で、医療費の増高による負担の問題や、集団全体に対する治療の意義へ疑問が生じ、医療のあり方が問われることとなった。このような中で、1974年にカナダのラロンド保健大臣による報告書が発表された。
健康日本21>Chapter2 第1節 ラロンド報告/アルマアタ宣言
ラロンドの報告は、公衆衛生活動をそれまでの疾病予防から健康増進へ重点を移し、宿主と病因という病気の決定要因を、単一特定病因論から長期にわたる多数の要因に基づく原因論に再構築するものである。この報告を出発点に、いわゆる新公衆衛生運動が欧米に拡がっていった(図2-1)。
また、当時の疫学の発達による病因の解明や、公民権運動、人権運動による住民参加の高まりも、疾病予防の重要性が再認識され、運動が世界的潮流となった理由として挙げられる。予防活動は保健医療関係者のみならず多くの人々を巻き込んで活動するという、新たな視点を我々に提示した。
ラロンド報告やマッキューン教授の研究結果を受け、当時のマーラーWHO事務局長は1978年、ソ連のアルマアタにおいて宣言し、医療の重点をこれまでの高度医療中心から予防を含む1次医療、すなわち「プライマリ・ヘルス・ケア」に転換するよう提唱した。
ニュージーランド
ニュージーランドでは、
1980年代後半から民間団体による精神障害者への支援活動や当事者運動が活発になり、
1990年にオヘイガンらによって精神科サバイバー・ネットワークが立ち上げられた。
1998年に精神保健委員会(MHC:Mental Health Comission)が設立され、リカバリーの概念をすべてのサービスの基盤にすることを明示したサービス開発計画「ブループリント」が発表された。
オヘイガン, M.
1990年代に、精神科サバイバー・ネットワークを立ち上げた当事者。
ブループリント
ニュージーランドのメンタルヘルスサービス計画、Blueprint for Mental Health Service in New Zealand。
ニュージーランドにおけるメンタルヘルスサービスのための修正案の要旨。 精神疾患を持つ人々に対するより良いサービスのための戦略。 マオリ族及び太平洋地域の人々へのサービスにも特に考慮している。
作成日:1998年12月
ニュージーランドのメンタルヘルスサービス計画(要旨)|障害保健福祉研究情報システム(DINF)
作成者:メンタルヘルス委員会
日本
THP(トータルヘルスプロモーションプラン)
1 THPとは
THP(Total Health promotion Plan)とは、厚生労働省が働く人の「心とからだの健康づくり」をスローガンに進めている健康保持増進措置のことです。THPは、昭和63年に労働安全衛生法が改正されたことにより、従来のSHP(シルバー・ヘルス・プラン)を発展させ、取り組みが推進されているものです。
労働安全衛生法第69条では、第1項で、労働者の健康保持増進を図るために必要な措置を継続的かつ計画的に実施することが事業者の努力義務として定められ、第2項では、労働者は、事業者が講ずる措置を利用して、健康保持増進に努めることとされています。
また、THPの基本的な考え方や事業場における具体的な実施方法について、労働安全衛生法第70条の2に基づき「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(THP指針)が厚生労働大臣により公表されています。
厚生労働省>職場のあんぜんサイト>心とからだの健康づくり
当事者や研究者による概念や実践
WRAP(元気回復行動プラン)
メアリー・エレン・コープランド氏を中心に、精神障害のある人たちによって作られたリカバリーにつながるためのツールで、日本ではWRAP研究会が「Wellness Recovery Action Plan」という言葉を「元気回復行動プラン」と翻訳。
病気ではなく健康や元気に焦点を当て、リカバリーを理念とし、基本的にグループで実践する精神障害当事者のセルフケアプログラム。当事者自身が自らの力で生活や健康を管理することを目的として、個別に作成する6つのプログラムで構成される。
精神障害当事者が中心となって実施するもので、困難な時の対処方法について、プランをあらかじめ作成する。
Wellness Recovery Action Plan (WRAP)の公式ホームページ(多分)
DINF(障害保健福祉研究情報システム)>事業実施報告内容 平成20年度 通番号31
古めの研究ですが、WRAPについての記載の他、勉強しておきたいことがたくさん掲載されていたのでメモ。
諸外国の精神保健に関する参考資料
結構古いのですが、面白そうな特集があったのでメモ。
【特集:精神障害者地域生活支援の国際比較】『海外社会保障研究』182号
海外社会保障研究 索引|国立社会保障・人口問題研究所
(まだまだつづく)