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合格レポート付き!〈レポート課題4〉精神保健福祉の理論と相談援助の展開I・II ①|精神保健福祉士養成課程通信科

勉強するウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

2023年2月に社会福祉士国家試験に合格したので、2023年3月に精神保健福祉士養成短期コースに申し込みました。

その学習についての記録です。

この記事では、精神保健福祉士養成課程通信科(短期)の、4つめのレポート課題の作成過程についてまとめます。

目次

レポート作成の準備

テーマ分析

今回のレポート課題、テーマはこれ。

・レポートテーマ:「家族教育プログラムについてまとめなさい。」(800字~1200字以内)

社会福祉士の養成課程で学ぶ際に考えた、合格するレポートの書き方を活用しつつ進めていこうと思います。

レポートを課す側の意図としては、ざっくりですが以下のようなものがあると思われます。

  • 家族教育プログラムについて理解する
  • 自分の業務とこのプログラムの関連について考える
  • 家族教育プログラムについての学びから新たな気付きを得る

テーマだけ見て考えていると効率が悪いので、材料を集めながらテーマの分析を進めていきます。

材料を集める

中央法規の『精神保健福祉の理論と相談援助の展開I』(第2版)第5章第2節が「家族教育プログラム」になっています。

レポートの主な内容は、恐らくこの章の重要な部分を切ったり貼ったりして800字~1200字程度にまとめたものになるかと。

その作業をしながら、出題意図のカケラを拾い集めて、これまでになかった新たな気付きが得られることを目指します。

今回も、chatGPTに尋ねてレポートを作ってもらってみました。
悪くはないのですが、丸写しで提出できるレベルにはなかなかならない。
参考程度です。

目次を作る

材料を集めながら目次(構成)を考えていきます。
見出しを付けるかどうかは後で考えます。

  • 精神科リハビリテーションにおける、家族教育プログラムの位置づけ
  • 家族教育プログラムの概要
  • 方法
  • まとめ(精神保健福祉士の役割)

集めた材料メモ

*()内はページ数

  • (187)医療機関では、精神疾患の治療と並行して、リハビリテーションが行われる。
  • (187)精神科リハビリテーションの中で、精神保健福祉士が関わるものの1つに、家族を対象とした家族教育プログラムがある。
  • (215)家族教育プログラムは、家族支援の1つ
  • (215)家族心理教育は家族支援、家族教育プログラムの1つ
  • (215)家族心理教育は、疾患と治療についての正確な知識、情報を伝えるとともに、精神障害を抱える人と同居する家族の日常的な対処を容易にするために認知行動療法的プログラムを組み込んだプログラム
  • (215)家族心理教育は単なる疾患教育ではなく、立場や経験に十分に配慮しつつ行動上の改善も目指す
  • (216)長期入院の是正、地域精神医療・地域ケアの促進で、家族ケア、家族支援の重要性は増している
  • (216)家族の高い感情表出は、長期にわたる日常的負担やスティグマによる家族自体の孤立のサインである
  • (216)「家族の不適切な行動を修正する」から「家族の余裕や対処技能を高める」家族援助へ
  • (216)高い感情表出と精神疾患の再発は、統合失調症だけでなくうつ病、摂食障害、強迫性障害、慢性身体疾患でも確認されていて、継続的問題を抱える家族への教育的支援の根拠となっている
  • (217)家族教育プログラムの方法・進め方
  • (219)今後の家族教育プログラムに求められるもの

6/10、一応できました。
しばらく温めます。

合格レポート

提出して、合格となったレポートを掲載します。
ご参考になれば幸いです。
丸写しはダメですよ。

 家族教育プログラムは、医療機関における精神科リハビリテーションの中で提供される家族支援の1つで、精神疾患の治療と並行して行われる。精神障害の生物学的研究や感情表出研究が進み、家族の治療へ貢献する能力が評価されるようにもなってきた。家族の高い感情表出と精神疾患の再発は、統合失調症だけでなく他の精神疾患や慢性身体疾患でも確認されていて、継続的問題を抱える家族への教育的支援の根拠となっている。精神障害者のほぼ8割が家族と同居していることや、地域移行促進の必要性を鑑みても、家族ケアの重要性は増しており、ケアする家族への支援も一層重要になっている。
 家族教育プログラムの代表的なものに、家族心理教育がある。家族心理教育は、疾患と治療についての正確な知識、情報を伝えるとともに、精神障害を抱える人と同居する家族の日常的な対処を容易にするために、認知行動療法的プログラムを組み込んだプログラムで、単なる疾患教育ではなく、立場や経験に十分に配慮しつつ行動上の改善も目指すものとなっている。その基本構造は、(1)疾病・障害と治療についての情報共有、(2)それら疾病や障害による日常的なストレスへの対処能力の向上、(3)共通した困難を抱える者同士のサポート(集団で実施される場合)と社会的ネットワークの強化、の3点から成る。欧米では本人を含む家族を対象とするが、日本では固有の歴史的経緯や日本的な家族関係のあり方から、本人を除いた家族のみの参加形態が多い。
 日本で標準的な家族教育プログラムは、(a)知識・情報を家族と共有する教育的部分と(b)対処技能向上を目指すグループセッションの組み合わせである。(a)では専門家が持っている知識や情報を、本人・家族に適切に伝える。その際、伝えることで傷つけることにならないようにする、わかっていることとわかっていないことの限界を明確にする、率直な自己開示、謙虚さと責任感、双方向性といったことに留意する必要がある。(b)の進め方の1つに「国府台モデル」がある。日本における心理教育普及のための効果的なモデルとして開発されたもので、原型はアメリカ連邦厚生省薬物依存・精神保健サービス部が開発したプログラムモデルである。
 このようなプログラムはその性格上、多職種スタッフからなるチームが提供するものとなる。精神保健福祉士はその中で、プログラム全体の進行や、(a)の教育的部分について社会資源の知識・情報を伝えるといった役目、(b)グループセッションのファシリテーターの役目等、中心的役割を果たすことが期待されている。
 私は精神障害者のグループホームに勤務している。身近な人間の態度を含む生活の環境が精神症状に関連するのはしばしば実感するところであり、また利用者のご家族と関わる上でも、家族教育プログラムについて今後ぜひ詳細に学び業務に活かしていきたい。

講師講評

 レポートの作成と提出ありがとうございました。多くの方が題意に沿ってポイントをしっかりと押さえられており、良く書けている印象です。以下、家族教育プログラムについて要点を整理しましたのでご確認ください。

 家族教育プログラムの代表例が家族心理教育である。精神疾患の再発を防ぎ、寛解へ導く要素の一つが患者に対する家族の反応・対応である。精神疾患・精神症状に対する正しい知識・対応を知ってもらうことは非常に大切なことである。精神疾患の治療法としては薬物療法、身体療法(電気経連療法など)、精神療法、精神科リハビリテーションが特に有名であるがこれらと並んで家族教育などの環境・社会療法も重要である。入院治療において治療効果が上がらない患者の転院の理由として治療抵抗と環境調整を上げることがある。つまり環境を整えることは精神疾患の予後を大きく左右すると言っても過言ではない。精神疾患の薬物治療は症状の消退時で服薬をやめることなく続ける必要がある場合が多く、怠薬を避けるためにも患者家族の力は必要不可欠であろう。その一方で精神疾患を発症した患者の家族もまた患者本人と同様に世間の風、ことに親族からの責めに晒されていることが多い。それがため、家族が患者に誘発されて精神症状を発症することもある。こうした家族の心理を守るという意味も家族心理教育には含まれる。
 以前は家族教育を行う場は家族教室と呼ばれ、精神科病院の家族教室ではいまなお患者本人の参加が不可な場合も少なくないが、病院以外の家族教室では患者本人の参加が可能な教室が増えている。
 正しい知識(統合失調症の主因は遺伝でも環境因子でもないなど)と並んで正しい対応(反応)として感情表出(expressed emotion:EE)が述べられることが多い。近年では高EE家族という患者本人の言動に対し患者本人の病状を悪化させるような強い表情・言動をする家族の存在が問題視され、高EE家族に対する知識を印象付ける場合が少なくないが、皆さんに知っていただきたいのは、ふつうの一般的な感情表出を心がけることが大切であるということである。
 精神保健福祉士は家族教育プログラムにスタッフとして参加することが多い。皆さんが精神保健福祉士となり、患者本人、当事者、家族とともに精神障害を乗り越えていくために尽力されることを願っております。

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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