こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月に社会福祉士国家試験に合格したので、2023年3月に精神保健福祉士養成短期コースに申し込みました。
その学習についての記録です。
この記事では、スクーリングの1日目、精神保健福祉相談援助の基盤について。
構成
- 総論
- 〈各論〉人権
- 〈各論〉海外(欧米)
- 〈各論〉日本
総論
テキストの見方
たくさんあって分厚いテキストをどう消化していくか?
目次を意識することで専門家に必要な知識を体系化していきやすくなる。
「はじめに」には重要なメッセージが込められているので、必ず目を通す。
一通り勉強をした後にも読んでみる。
ちなみに、中央法規の当該科目テキストの「はじめに」は2014年に書かれているが、現在も状況は変わっていないとのこと。
当該科目について
精神保健福祉士は何する者ぞ、という部分について学習する科目で、科目名の通り「基盤」。
精神保健福祉の制度やサービスは、社会の状況に合わせ、時代と共に変わっていくので、ソーシャルワーク専門職なら歴史を知っておくことは大前提。
精神保健福祉士のアイデンティティ
何する人?
どんな勉強するの?
といった問いに対する答え。
個人の支援もするし、国際社会まで守備範囲とする仕事なので、一言では説明しにくい。
精神/保健/福祉/士 と、一語ずつに意味がある。
精神保健/福祉士 ←2つに分けるとすると、こうなる。
精神保健福祉士のアイデンティティは「福祉士」の方で、つまり「精神科のソーシャルワーカー」。
ソーシャルワークが仕事なのであり、精神疾患の方ばかりに気を取られてはいけない。
Psychiatric Social Worker とかつては言われたが
最近は Mental health Social Worker の方が正確ではあるが、
PSWの方が言いやすいのでこっちも残るのでは、という話も。
ちなみに、このブログでは「MHSW」の方を記事のアドレスに使っています。
〈各論〉人権
ソーシャルワークの価値
バートレットによる【ソーシャルワーク〈社会福祉〉実践の要素】
- 価値:大切にするもの=人権
- 知識
- 調整活動
↑この順番で大事。
人権に関することは、先に欧米あるいは世界レベルの動きがあり、遅れて日本も動き出すという流れ。
人権は、幸せな時、人生が順調な時にはあまり関心を持たれない。考えなくても何とかなる。
誰もが当たり前に持っているはずだが、困った時、支援を必要とする時、命を脅かされる状況の時に問題になる。
価値=人権
知識=相談者の人権を守るための知識
実践=相談者に対して失礼な態度を取らない
世界人権宣言
第2次大戦後、1948年の世界人権宣言
大戦により多くの人が亡くなり命が脅かされたことの反省から。
近年はコロナ禍で、福祉以外のの人の人権意識も高まりつつある。
法、法律による日本の人権
「法」という大きな枠組みの中に、
「法律」がある。
「法」の頂点は憲法。
憲法の中に記載されている人権は、世界人権宣言の内容をほぼ網羅している。
権利とは
世界人権宣言の第三条(外務省訳)
「すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。」
「権利」を「思い」と読み替え、一人一人の思いを大切にすること、とすると権利の本質を捉えやすくなるのではないか。
〈各論〉海外(欧米)
日本は欧米のソーシャルワーク〈福祉の実践〉を輸入している。
これからのことを考えるには、これまでのこと〈歴史〉を知る必要がある。
福祉の仕事では、マイノリティで困難を持つ人を支援する、
精神保健福祉士はその中で特に精神保健領域。
※以下「ページ」「章」は中央法規の当該科目テキスト
ソーシャルワークの源流
2ページ:生活の視点(生活の支援、まさに福祉)、精神障害者=生活する人
第5章は要通読(特に98~110ページまでしっかり勉強すれば国試で点が結構取れるよと・・)
ソーシャルワークの源流「COS」
ドイツ「貧困者救済制度」(1711年)
資本主義という仕組みの中では、貧困がしばしばマイノリティの困りごととなる。人権擁護と貧困の支援がセットとなる。
テクニカルタームはもちろんあるが、人権に対する考え方をしっかり身に付けること。国試に取り組む土台として必要。
100ページ COSの活動4つの機能
- 地区ごとに友愛訪問員
- 友愛訪問員は担当地区内の要保護者を調査
- 調査結果の登録
- 団体相互に連絡調整
ソーシャルワークの専門職化の進展
医療モデルから生活モデルへ
☆重要:医療モデルから生活モデルへの流れを押さえる。
治療モデル医学モデルからの画期的な転換点となった機能的アプローチ、に影響を与えたオットー・ランクの著書↓、講義の中で推奨されていたのでメモ。
クライエントの主体性尊重
☆重要な概念、アプローチ
- アドボカシー
- ストレングスモデル
- エンパワメントアプローチ
- ナラティブアプローチ ←近年のグローバルスタンダード
↓講義の中に登場したのでメモ。
ナラティブアプローチでは、支援する・されるという考え方を放棄する。
支援者としてアドバイスをする・指示指導・促しを支援者の考えを中心にするのではなく、1人の人間として相手の思いに寄り添う。
〈各論〉日本
115ページ~
戦前日本におけるケースワークの形成過程
大正時代のリッチモンド理論の導入
*リッチモンドの理論がその著書刊行と同時代に紹介されている。
*精神科医療の領域では明治に遡る
貧困救済の制度が大正以降整えられていく
*日本の資本主義は明治以降
*現在の資本主義にも関心を持つべし
*資本主義のもとでは経済的に困窮する人が必ずいるので支援の制度が必要
ケースワークが制度となるのは第二次大戦後
*戦前は大部分が慈善事業だった
*GHQ占領下、制度が整えられていく
*研究、理論化も進んでいく、例えば・・
仲村優一
岡村重夫
孝橋正一
精神科ソーシャルワークの導入
*1948年 社会事業婦
*1997年 精神保健福祉士の制度創設
レポート課題
中央法規のテキスト「精神保健福祉 相談援助の基盤(基礎・専門)」第4章の項目(1〜11)の内容をそれぞれ要約し、全体で1,000字程度のレポートにまとめるという課題。
国試では、重要な概念・用語についての理解が前提となっている設問が結構あるので、試験対策にもなる課題かと。
要約すべき項目
- ウェルビーイング(well-being)
- 社会正義(social justice)
- 民主主義(democracy)・人道主義(humanitarianism)
- 人権(human right)・人間の尊厳(human dignity)
- ソーシャル・インクルージョン(social inclusion;社会的包摂)
- ノーマライゼーション(normalization)
- 尊厳の保持・人権擁護・権利擁護
- 利用者主体の堅持
- 自立支援とその促進
- エンパワメント(empowerment)
- その他の価値や理念
文字数
全体で1000文字程度という指定なので、一項目につき90文字程度にします。
90文字って、結構タイト。
レポート本文

書き終えたので、しばらく温めておきます。
(つづく)