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福祉専門学校の精神保健福祉士短期養成コース入学前の学習ガイダンス動画(1)

オンライン学習をするウサギのイラスト

こんにちは、ブジカエルです。

社会福祉士の登録証も手元に届き、5月の精神保健福祉士短期養成コース入学を待ちつつ、過去問に取り組んだり入学に先立って届いたテキストを見たりしています。

先日、学校から学習ガイダンス動画等の案内がメールで届いたのですが、見ていなかったことに気付いて視聴することにしました。

ソーシャルワーク実践セミナーの1つ目は、社会福祉士の資格を持っている不動産屋さんのお話。メディア露出がわりと多めなようで、かなり興味深い取り組みをされている会社さんでした。以下はその「アオバ住宅社」という不動産屋さんの方のお話「テーマ:社会福祉士の資格を民間事業者として活かしながら働く」のまとめです。

目次

アオバ住宅社代表:斎藤 瞳 さんとは

斎藤さんのキャリア初期

・警察官になる予定だったが内定辞退
・「たまたま」目にした不動産屋さんの求人が給与が高かったことから不動産業に従事
・社会福祉士には関心はなかった。

社会福祉士になるまで

・生活保護受給中の高齢者に出会う(無料定額宿泊所に居住中)
・力になりたいと思ったが、ご紹介できる物件がない!不動産の仕事をずっとしてきたのに・・
・役所に何度も出向いて制度を知り、電話をかけまくって物件を見つけるまで約半年
・アオバ住宅社を開業
・役所の人とも仲良くなり、依頼が広がっていく(困りごとは様々、関わる制度の様々)
・しかし、制度を知らないことで業務がスムーズに進まないことがあり
・社会福祉士資格の取得へ

アオバ住宅社とは

https://www.aoba-jutakusha.jp/

事業内容

  1. 不動産賃貸・売買
  2. 清掃事業
  3. 空き家の活用
  4. コンサルタント(入居者対応)

不動産賃貸事業の顧客の例

  • 生活保護受給者
  • 高齢者
  • 外国人
  • 児童保護施設退所者
  • シングルマザー
  • 障害者
  • DV被害者
  • 病気や介護での離職者

等、いわば住宅確保要配慮者。

新規問い合わせが月約20件。
一人ではすべての依頼に応えられない状況。
商売繁盛ということ?

アオバ住宅社の事業の例

清掃事業

取引先の大家さんから持ちかけられて始めた事業。
とはいえ、右も左も分からず・・
「最初に関わった方が清掃業だったから、彼にやってもらおう!」
で始めた事業だとか。

・生活支援課からの紹介
・引きこもり支援機関からの紹介
・障害支援機関からの紹介
といったことがあり、現在では就労継続支援事業B型事業所と組んでいる。
見事な連携。

↑B型と連携するというのも、社会福祉の知識があるからこその発想で、今では30棟以上に。
「どうしたら続けてもらえるか」の視点で業務の日時を柔軟に決めてもらっている。
ハウスクリーニングや除草、高圧洗浄など、業務に広がりも。

清掃の作業は、社会とつながる自立の足掛かりとなることもあるし、
汚かったところがキレイになる清掃は、達成感につながりやすいんだとか。

空き家・空室相談

今後の人口変遷について説明があり(社会福祉士の試験対策でも勉強しました)、人口はもうピークを過ぎて減っていくけれども、高齢者・精神障害者・外国人等が占める割合は増えている。

一方、住宅新規着工は、増えている。
こんなに作って大丈夫なのか?てくらいに増えていて、人口全体は減るのに住宅は増えていく、空き家も増えていく、しかし住宅確保要配慮者が入れる住宅は少ないという現状。

そこにアオバ住宅社さんの商機(?)が。

5LDKの空室を、就労移行支援B型事業所(カフェ)に転用

オーナーにとっては「B型って何?」
斎藤さんが制度や事業の説明で間に入り、1年がかりでオープン。
落書きだらけ、方々が壊れるなど、散々な状況だったが、弁当も販売するなど地域の活性化につながる事業所に。

古い一軒家を、生活介護事業所への転用

大手不動産屋さんは
生活介護事業所に。
古い住宅の雰囲気が、利用者さんにぴったり♪

オーナーにとっては、「生活介護って何?」
斎藤さんが説明⇒自治会長さんがOKならいいよ!⇒斎藤さんが間に入って、生活介護事業所に。

コンサルタント(入居者対応)

例えば、
・上階の人に何度も苦情を言いに行く
・夜中に大声を出す
・隣の部屋に怒鳴り込む
といった、大家さんが対応に困ってしまったり、管理会社が対応したがらなかったりする方は、しばしばいるもので。

「電波が・・」とか、精神疾患について多少でも勉強したことがあればすぐにピンとくるような発言があっても、大家さんや管理会社さんが店子さんを医療に結び付けるというのは、なかなかないようで。

でも、こういう方たちは、自分が困っているから、周囲を困らせているのであって、助けを求めているサインなのかもしれないんですね。

空き家は増えているのに、障害者や高齢者の間口はすごく狭い。
精神障害者等が地域で暮らし続けるための実績づくりを続けていけば、間口が広がっていくのではと考えて、実践を積み重ねておられるそうです。

アオバ住宅社の理念

アオバ住宅社さんの理念は、「インクルーシブ社会の実現」。

住まいを軸にした「自立」(経済的・社会的・日常生活・精神的な自立)のサポートを通して、地域において、自分の望む暮らしをしようとする方をお手伝いをするということで、まさに福祉的なお仕事です。

斎藤さんの考えとして、
「本当の意味で地域で暮らすというのは、自分に関わる人が地域で増えること。
 個として暮らすだけではない。
 フォーマルな資源だけではなく、インフォーマルな社会資源とも結び付いていること」
ということが語られていました。

本当に、その通りだと思います。
行政からの指定を受けている事業所で福祉に携わる者としては、民間でもここまでできるんだというのは、目から鱗でした。

おわりに

アオバ住宅社を地域の居場所にということで、交流会等も行っているそうです。
本当に、福祉事業所顔負け。

社会的起業/企業がどこまでできるんかなと思っていましたが。
理念信念とアイディア次第で何でもできるという見本のようなお話でした。

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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