社会福祉士学習の記録|レポート(12) 第3回(2)『相談援助の基盤と専門職』(a) ソーシャルワーカーの倫理綱領について

この記事では、社会福祉士養成課程(通信)の12番目のレポート(「相談援助の基盤と専門職」という科目の2つ目のレポート)に関することをまとめました。

A評価を得たレポートの実例つきです。

レポートの作成過程を細かく記載しているので、内容はてんこ盛りです。
お忙しいでしょうから、ぜひ必要な個所に絞って見てくださいね。

以下の記事にまとめた手順に沿ってレポートを作成する準備を進めました。

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目次

レポートは2択

レポートの課題は、以下の2つから選べました。

(a) ソーシャルワーカーの倫理綱領について
~日本社会福祉士会倫理綱領を参考にして、相談援助専門職の倫理綱領の内容について述べなさい。

(b) クライエントの尊厳と自己決定について
~クライエントの自己決定、自立支援、ストレングス視点について述べなさい。

比較して簡単そうに思えた(a)にしました。

レポート作成の手順

毎度恒例、「社会福祉士養成通信課程で提出するレポートとその作成方法について【土台=基礎編】」の「レポート作成の手順」に沿って作業を行っていきます。

テーマ分析

ソーシャルワーカーの倫理綱領について、日本社会福祉士会倫理綱領を参考にして、相談援助専門職の倫理綱領の内容について述べる、という課題が、どのような内容を期待して設定されたのかを考えます。

考察の対象は「倫理綱領の内容」ですが、

  • ソーシャルワーカー の倫理綱領について
  • 日本社会福祉士会  の倫理綱領を参考にして
  • 相談援助専門職   の倫理綱領の内容について述べる

という、三段構えの課題となっています。
そこを踏まえた構成または内容にする必要がありそうです。

その上で、

  • 相談援助を専門とする職能集団のための倫理綱領が存在する理由
  • 倫理綱領の内容
  • 倫理綱領を踏まえた行動や判断、ジレンマについての考察

この辺りが書けていると及第点がもらえると思います。

材料を集める

レポートを書くにあたって必要な材料を集めます。

学校指定のテキストの中や、テキストに出てきた資料から主に材料を探します。

次項にまとめます。

材料を集める

倫理綱領

ソーシャルワーカーの倫理綱領

日本ソーシャルワーカー連盟(JFSW)公式WEBサイトに掲載されている、ソーシャルワーカーの倫理綱領

日本社会福祉士会の倫理綱領

公益社団法人日本社会福祉士会の公式ウェブサイトに掲載されている、日本社会福祉士会の倫理綱領

日本社会福祉士会の「社会福祉士の倫理綱領」は、「ソーシャルワーカーの倫理綱領」の「ソーシャルワーカー」を「社会福祉士」へ読み替えたもの。

倫理綱領とは

倫理綱領とは、1995年に採択されて以来、社会福祉士の専門職としての価値観であり、行動指針として大切にしているものです。そして、行動規範とは、倫理綱領を行動レベルに具体化したものであり、社会福祉士が倫理綱領に基づいて実践するための行動を示してあります。

時代の変化に応じた内容に改訂し、一番新しい倫理綱領は2020年6月に、行動規範は2021年3月に採択いたしました。

ご一読いただき、あらゆる場で活用していただけることを期待しています。

テキストから

経緯

  • 日本の代表的な相談援助専門職の倫理綱領は、1986年(昭和61)に日本ソーシャルワーカー協会が宣言した「ソーシャルワーカーの倫理綱領」だった。
  • 日本社会福祉士会は、1995年(平成7)にこの綱領を会の倫理綱領として採択した。
  • 国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW、ジュネーブ)が2004年(平成16)に「ソーシャルワークにおおける倫理ー原理に関する声明」を採択。これに準拠した倫理綱領を目指して「ソーシャルワーカーの倫理綱領」が社会福祉専門職団体協議会倫理綱領委員会によって策定され、2005年(平成17)に最終案が取りまとめられた。
  • 2014 年7月、国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)国際会議(メルボルン会議)において、2000年の「ソーシャルワークの定義」の改正案「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(Global Definition of Social Work、以下、新グローバル定義)が採択された。
  • 新グローバル定義を受け、「日本ソーシャルワーカー連盟倫理綱領委員会」が発足、2020年新たに「ソーシャルワーカーの倫理綱領」として承認、施行。

テキスト以外からも

2020年に改訂されてしまったので、テキスト以外からもかなり引っ張ってこなければならなくなりました。学校指定の最新版のテキストを買っていても、こういうことは起こりますね。やや面倒。

構成

  1. 前文
  2. 原理
  3. 倫理基準
前文、原理(以前は「価値・原則」)
  • 前文に、社会福祉士が拠って立つ価値と原則の体系が示されている。曰く、「すべての人が人間としての尊厳を有し、価値ある存在であり、平等であること」
  • ソーシャルワーク専門職のグローバル定義を掲載(国際ソーシャルワーカー連盟と国際ソーシャルワーク教育学校連盟が2014年に採択)を、ソーシャルワーク実践の基盤となるものとして認識し、その実践の拠り所とする。
  • 続く「原理」において、人間の尊厳、人権、社会正義、集団的責任、多様性の尊重、全人的存在について述べている。

メモ

2020年の改定で、前文のあとは、「価値と原則」から「原理」になりました。

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」で挙げられた「諸原理
(principles)」に沿って原理とした。原理(principles)は価値(values)よりも絶対的でゆるがないものである。

という理由だそうで。

以前の「価値と原則」(2005年採択)
1. (人間の尊厳)
社会福祉士は、すべての人間を、出自、人種、性別、年齢、身体的精神的状況、宗教的文化的背景、社会的地位、経済状況等の違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重する。
2. (社会正義)
差別、貧困、抑圧、排除、暴力、環境破壊などの無い、自由、平等、共生に基づく社会正義の実現を目指す。
3. (貢献)
社会福祉士は、人間の尊厳の尊重と社会正義の実現に貢献する。
4. (誠実)
社会福祉士は、本倫理綱領に対して常に誠実である。
5. (専門的力量)
社会福祉士は、専門的力量を発揮し、その専門性を高める。

現在の「原理」(2020年6月採択)
原理
Ⅰ(人間の尊厳) 社会福祉士は、すべての人々を、出自、人種、民族、国籍、性別、性自認、性的指向、年齢、身体的精神的状況、宗教的文化的背景、社会的地位、経済状況などの違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重する。
Ⅱ(人権) 社会福祉士は、すべての人々を生まれながらにして侵すことのできない権利を有する存在であることを認識し、いかなる理由によってもその権利の抑圧・侵害・略奪を容認しない。
Ⅲ(社会正義) 社会福祉士は、差別、貧困、抑圧、排除、無関心、暴力、環境破壊などの無い、自由、平等、共生に基づく社会正義の実現をめざす。
Ⅳ(集団的責任) 社会福祉士は、集団の有する力と責任を認識し、人と環境の双方に働きかけて、互恵的な社会の実現に貢献する。
Ⅴ(多様性の尊重) 社会福祉士は、個人、家族、集団、地域社会に存在する多様性を認識し、それらを尊重する社会の実現をめざす。
Ⅵ(全人的存在) 社会福祉士は、すべての人々を生物的、心理的、社会的、文化的、スピリチュアルな側面からなる全人的な存在として認識する。

相談援助専門職の倫理とは

以下学校指定のテキストから。

相談援助専門職もまた、援助を必要とする状態にある人の問題解決や自己実現の支援を行う専門家である。さらに相談援助専門職の業務は、利用者の生活全般にかかわることが多いため、常に反福祉的な行為になる危険性を孕んでいるといわざるをえない。福祉サービスについての専門的知識と権限によって、サービスのありようをさまざまなかたちで操作できる立場にある相談援助専門職は、基本的に支配者性を内在させた存在である。
(中略)
相談援助専門職によるセカンド・アビューズの問題も年々深刻化している。意図せざる結果であったとしても、相談援助専門職が利用者の人権をふみにじってしまうというような事態が起こっているのである。このような状況の下、相談援助専門職のあり方に関して、今ほど高い倫理観や人権意識が強く求められている時代はないのではないだろうか。

前回レポートのコメント

「相談援助の基盤と専門職」の前回のレポートと同じ先生がご担当かどうかはわかりませんが、第1回提出分の当該科目のレポートで、先生から下記のような内容のコメントをいただいたので、これも参考にします。

相談援助の仕事は「答えのない仕事」であるから迷い、悩む。社会福祉士は常に社会と人に寄り添い、より良い支援を目指してクライエントの利益のために「ゆらぎながら」ゴールを目指していく。その際に「社会福祉士」という「資格」が自分にとっての拠り所になる。相談援助における倫理綱領の要は「全ての人々の尊厳」であり、「倫理綱領」に基づく倫理と行動規範を実践することは、クライエントを守ることと同時に、援助する側の権利や尊厳を守ることにもなる。

A評価のレポート例

ブジカエル
私が提出したレポートの評価がAでした。
ご参考になれば幸いです。
完全コピペはダメですよ。

点数 80点
総合評価 A

項目別評価
・課題の理解度 A
・論旨と構成 A
・自己の見解 A

1. 社会福祉士の倫理綱領とは
 社会福祉士の倫理綱領(以下「倫理綱領」)は、社会福祉士の専門職としての社会的責任や職業倫理等を成文化したもので、社会福祉士がソーシャルワーク実践にあたって遵守すべき事柄が明示されている。1995年に採択されて以来、社会福祉士の専門職としての価値観であり、行動指針として大切にされている。
 なお、現行の倫理綱領は2020年6月に採択されたものである。2014年に国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)が「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」を採択したことを受けて、日本ソーシャルワーカー連盟代表者会議が2020年に改定した「ソーシャルワーカーの倫理綱領」がそのもととなっている。

2. 社会福祉士の倫理綱領の内容
 社会福祉士の倫理綱領は、前文・原理・倫理基準で構成されている。
a. 前文
 前文では原理の体系が簡潔に示されている。すべての人が尊厳と価値を持ち、平等であることをまず確認し、さらに社会福祉士が則るべき原理を挙げ、社会福祉士が目指すところ(つながりを実感できる社会への変革と社会的包摂の実現)を明示している。
 2020年の改定では、社会システムや自然的・地理的環境と人々の生活の関連についての記述と「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」が追記され、人と環境の相互作用を一層重視すること、およびグローバル定義を拠り所とすることが示された。
b. 原理
 2020年に改定される前の「価値と原則」よりも絶対的で揺るがないものとして、ソーシャルワークの中核をなす概念(人間の尊厳、人権、社会正義、集団的責任、多様性の尊重、全人的存在)それぞれについて記されている。
c. 倫理基準
 この項目は①クライエントに対する倫理責任(12項)、②組織・職場に対する倫理責任(6項)、③社会に対する倫理責任(3項)、④専門職としての倫理責任(8項)の4つのパートから成り、それぞれ括弧内に示した数の項目が定められている。クライエントや組織・職場、社会のそれぞれに対する倫理責任を明示し、高い倫理観や人権意識が強く求められている専門職としての自覚を促す内容となっている。

3. 考察
 現代日本において人間の尊厳や人権の重要性は自明であるが、倫理綱領ではそれが原理の冒頭に記されている。当たり前すぎるためか日常生活の中で改めて話題とすることはあまりないが、ソーシャルワーク実践においては最も重要なこととして常に念頭に置きたい。
 相談援助専門職の仕事に、NG事項はあるが正解はなく、迷い悩むことは多い。社会の複雑化が進む今日ではその迷いや悩みは一層増しがちだが、現場ではそれでも判断、行動せざるを得ない。そんな折には倫理綱領や行動規範を道標として援助を実践していきたい。
 倫理綱領は自己の業務を点検を行う際の拠り所となる。また自分の業務がすべての人の尊厳の尊重を第一に掲げる、自分も含むすべての人のウェルビーイングを高める壮大な事業の一環であることを改めて思い起こさせるものでもある。業務の中で日常的に利用したい。

解題で復習

出題意図

当該科目において学習すべき内容であるから。
「ソーシャルワーカーの倫理綱領」は、ソーシャルワーカーを目指す受講生に必ず学習しても
らいたい内容であり、また社会福祉士となるなら「日本社会福祉士倫理綱領」をしっかり学び、毎日の実践に活かせるようにしていただきたいという願いがある。
ということでした。

国家試験に向けての対策

  • 社会福祉士に関する法規定、グローバルな定義も含めたソーシャルワークの定義を問う問題が毎年出題されている。法律や定義を理解することはもちろん、その内容への深い理解も求められる。
  • 事例問題形式で出題されることが多いが、相談援助の理念をよく理解しておくこと。現場で実践できるように学習を重ねていくことで、正答が見出せるようになる。
  • 倫理綱領の改正に伴い、変更点を中心に読み込み、我々社会福祉士に求められる役割や責務を自覚しながら学習を進めること。
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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者地域移行支援施設の生活支援員。国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学9年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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