新型コロナウイルス感染症の影響で、今年度のスクーリングはオンライン学習となりました。
オリンピックのおかげで7月の祝日が増え、スクーリングの学習内容を順調にこなせています。
コロナ感染がここにきてまた広がっていて、旅行や賑やかな場所に行く気もしないので、家で勉強する時間が増えました。
↓1年次のスクーリングについての記事はこちら
2日目の学習内容
2日目に視聴した動画は以下の通り。
- スクーリング1日目の課題解説
- 2日目の学習内容説明
- 講師による面接場面のロールプレイ視聴①(悪い例)
ひどい例が数パターン示されました。 - 事例による面接場面のロールプレイ視聴②(良い例)
良い例が数パターン示されました。 - 悪い例と良い例で、どのような違いがあるかまとめる。
- インテーク面談の終わり方の例のロールプレイ視聴
- 課題で取り組む事例のロールプレイ視聴
- 課題2つ
提出課題
提出課題は2つあり、動画で先生方によるロールプレイ(5分弱)を視聴して、
- 登場人物三者の関係性を考察する
- ワーカーの対応のうち、バイステックの7原則の個別化が行われていた点とそうでない点について考察する
というものでした。
回答作成の過程は以下の通り。
後日公開された解説のポイントも記してあります。
課題②-1
課題文
Aさん、長男、 Cワーカーそれぞれの言語的・非言語的なコミュニケーションに注目して、三者の関係性を考察し、まとめてみましょう。
動画で先生方によるロールプレイ(5分弱)を視聴し、三者の関係性を考察するというものでした。
以下動画を視聴しての気づきを記します。
【Aさんと長男】
■Aさん→長男
- 長男に背を向けて座り、顔も彼から背けている。
- 面談冒頭には「頼んでない」と強い口調で長男に言った。長男に対する反発心のようなもの?
- 「お前は昔から心配性なんだ」と息子の性格をよく知る父親ならではの発言をしており、「自分は父親なのに、息子に従うなんて」「しかも息子は心配性だ」といった気持ちになっているのかも。
- Aさんにとって長男は、自分を心配してくれるが、家に住み続けたい自分の気持ちを無視して施設に入れようとしている。
- 自分にとって都合の悪い指摘されたくないこと(夜中の電話や転倒、物忘れ)を人前でも平気で指摘する。
- 心配はありがたいがもはや鬱陶しい存在か?
- 今の家に住んでいるのが「何年くらいかな?」と息子に普通に尋ねる場面もあり、長男との関係は全面的・決定的に悪くなっているわけではなさそう
■長男→Aさん
- Aさんのことを心配し、そのために施設入所を進めようとしている。
- 父親の自宅に住み続けたい気持ちに寄り添えていない。
- Aさんのことを心配していることを言葉で伝えているが、机を叩いたり、通院を忘れていた様子である父親に対して強い口調で問い詰めたり、度々語気が荒くなるなど、父親の言動に対して感情的になるのが非言語的な部分にも表れている。
- Aさんが夜中に電話してきて「知らない人がいる」と言ったことなど恐らく都合の悪いことについて、Aさんは忘れたふりをするか忘れてしまったりする、そんな父親に振り回されている様子が伺える
- 今の家に住んでいるのが「何年くらいかな?」と父親が普通に質問すれば普通に返す。
- Cワーカーに質問されて父親が答えないときに自然にフォローを入れるなどしている。
- 父親の今後の生活に対する心配や父親の態度で感情的になる面はあるものの、それ以外では特に険悪なことはなく、良い親子関係か?
【AさんとCワーカー】
■Aさん→Cワーカー
- 面談冒頭はCワーカーに対して斜めに構え、息子と一緒になって自分を施設に入れようとしている人だと思っていたよう。
- 「できるだけこのおうちで住み慣れたところで住んでいただくように調整とかお手伝いをする」というワーカーの発言を受けて、ワーカーの方に体を向けた。
- 「今住んでいる家に暮らし続けたい」という自分の気持ちに寄り添う態度や言葉がワーカーにより示されたことにより、Aさんはワーカーに対して「話しを聴いてみようか」という気持ちが生まれ、Cワーカーの方を向く姿勢、Cワーカーの質問に対して素直に応答することにつながったか。
- 息子には反発しつつも、本当は自宅に一人で暮らし続けることについて不安を抱いていた可能性も伺える。
- Cワーカーに通院の予定を尋ねられた時には沈黙した。通院の予定を忘れていたか、病院に行きたくないか、何らかの事情の表れか。
■Cワーカー→Aさん
- 面談冒頭、Aさんの「困っていることはない、好きにしていい」という投げやりな態度と言葉に対して、「ありがとうございます」という丁寧なお礼と態度で冷静に応対。
- 挨拶の後に自分の役割を「できるだけこのおうちで住み慣れたところで住んでいただくように調整とかお手伝いをする」とAさんの気持ちに寄り添う内容で説明。
- 「阿部さんとしてはこのおうちで生活したいというお気持ちはあるんですよね」とAさんの気持ちや思いを引き出す問いかけを行い、Aさんとの信頼関係構築に努めている。
- Aさんのどんな態度や言葉にも穏やかで丁寧な、比較的ゆっくりめの口調で語りかけていた。
- Aさんの方を見て、うなずき、相槌をうちながらAさんの発言を受け止めていた。
- 言語的・非言語的コミュニケーションはいずれも、終始受容的な言葉と態度。
【長男とCワーカー】
- 面談冒頭、不穏な様子のAさんと長男に対してCワーカーは冷静に応じている。
- Cワーカーは「こういうご様子なので手短にお話し進めようかと」とやや失礼な発言。それに対して長男は特に何の反応も示さなかった。長男とCワーカーの間にはある程度以上の関係が築けているか事前の打ち合わせありか?
- 長男はAさんの施設入所を希望しているが、面談の中でCワーカーは長男の「施設入所を父にすすめてほしい」という意図の通りにしていない。
- 住み慣れた家で暮らしていくためのお手伝いとAさんに伝えており、それに対して長男が反対を唱えることはない。
- 面談には表れていない関係性がありそうななさそうな。勘ぐりすぎか?
課題②-2
課題文
Cワーカーが Aさんと長男に行った対応のうち、バイスティックの7原則の「個別化」が適切に行えていた点と行えていなかった点について考えてみましょう。
課題②-1でも考察した動画で先生方によるロールプレイ(5分弱)を視聴して、バイステックの7原則の個別化が行われていた点とそうでない点について考察するという課題です。
私の所属する学校では、Biestekを「バイスティック」と読むようですが、私は「バイステック」と書きます。
■対Aさん
- 面談冒頭、「こういうご様子なので手短にお話し進めようかと」と発言。Aさんのことを個別化せず、「問題のある人」という捉え方をした発言と受け取れる。
- Aさんの「ずっと住んできているから」今の家で生活し続けたいという発言を受けて、「この家にどれくらいお住まいなんですか」と質問。Cワーカーはこの質問で個別化を行い、Aさん独自の生活歴を尊重する姿勢を表したのでは。
- Aさんが「最近足が痛む」と発言したのに対して、Cワーカーはどっちの足が痛むのか尋ね個別化しかけていたが、その後「足が痛いのは歩くのが不自由になるから辛いですよね」と一般論的にまとめ、この点では個別化をしなかった。
■対長男
- 面談中、長男からAさんに対して施設に入るよう言う場面があったが、Cワーカーはその発言を無視した。
- 面談中に長男とAさんがヒートアップした際、「まあまあまあ落ち着いてちょっと考えていきましょう」と発言するにとどまり、長男の思いや感情を個別化しなかった。
- 長男のことを個別化する場面はあったか?
解説
8月半ば、スクーリング3日目の動画が公開され、先生の解説動画も視聴できるようになったので、その内容をメモしました。
正解・不正解はないと強調されていました。
課題②-1
特に注目されたいのは、ご本人Aさんとその息子さんとの関係性。
・お互いに頼っている部分
・親として強がっている部分
・子供がはどんなところを心配しているか
意見・考えが異なる家族の間に入るワーカーとしては、どういう立ち位置でいればいいか。そういうところも考えられると良かった。
正解と不正解をはっきり分けられるものではないので、ロールプレイを自分がどう受け止めたか、なぜそう捉えたか、というところを踏まえて書けると良い。
非言語的メッセージにも注目して、言語的メッセージは信じるけれども鵜吞みにしないのも大切。
課題②-2
バイステックの7原則は、頭でわかっているだけでなく、実際に使えなければならない。
どのような対応が個別化にあたると考えたか、なぜそう受け止めたかのかを考えられたい。
個別化ができている・できていないで線を引くのではなく、なぜそう判断したかという根拠を入れなければならない。