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社会福祉士学習の記録|レポート(24) 第6回(1)『社会理論と社会システム』

レポート課題に取り組むカエルのイラスト

この記事は、社会福祉士養成課程(通信)の24番目のレポート(科目は「社会理論と社会システム」)に関することをまとめたものです。

以下の記事にまとめた手順に沿ってレポートを作成する準備を進めました。

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目次

レポートは2択

レポートの課題は、以下の2つから選べました。

(a)M.ウェーバーの「社会行為の四類型」について述べなさい。

(b)R.K.マートンの「機能類型」について述べなさい。

国家試験対策としてはどちらも重要なので迷ったのですが、ウェーバーの「社会行為の四類型」がより面白そうだったので、(a)にしました。

レポート作成の手順

毎度恒例、「社会福祉士養成通信課程で提出するレポートとその作成方法について【土台=基礎編】」の「レポート作成の手順」に沿って作業を行っていきます。

テーマ分析

「M.ウェーバーの「社会行為の四類型」について述べ」るというテーマが、どのような内容を期待して設定されたのかを考えます。

また、社会福祉士養成通信課程におけるレポートは、

  • 学習を進めているよ!ということを学校に知らせる
  • こんなふうに理解しているよ!ということを先生に知らせる

ということも目的としていると考えられるため(参考:社会福祉士養成通信課程で提出するレポートの意味)テキストの内容を踏まえつつ、少し発展させたレベル内容も盛り込めるとベターかと思います。

今回のレポートは、

  • M.ウェーバーの「社会行為の四類型」についての概略
  • M.ウェーバーの「社会行為の四類型」に関する考察

以上2点が端的にしっかり書けていれば(=本質的なところが押さえてあれば)、及第点はもらえるでしょう。

なお、M.ウェーバーの「社会行為の四類型」や社会理論が、現代における社会福祉士の業務にどのように関わっているかについての考察や、ソーシャルワーカーとしての社会学に関する学びの必要性に関する気づきなどが含まれていると、ポイントが上がると思われます。(もちろん推測です。)

材料を集める

レポートを書くにあたって必要な材料を集めます。

学校指定のテキストの中や、テキストに出てきた資料から主に材料を探します。

材料を集める

M. ウェーバー

M.ウェーバー(Weber, Max 1864-1920)について、学校指定のテキストから2か所引用。

ドイツを代表する社会学者。
社会的行為を社会学的分析の基礎単位とし、行為の動機の意味を理解することが、社会学的研究の根本であるとした。

社会の構成単位が人間の行為にあるとして、国家や協同組合などの概念も、個々人の行為に還元して捉えなければならないとした。なぜなら、社会は人間の行為が具象化したものだと考えたからである。ここでいう行為は、個人の行為ではなく、「社会的行為」である。

社会学 第二世代の巨匠3人の一人として

学校指定のテキスト4~5ページからまとめ。

19世紀後半、資本主義体制の確立期に入った西ヨーロッパでは工業化が急速に進み生産力が上昇したが、反面様々な問題が現れた。社会学の分野ではコントやスペンサーに続いて、ウェーバー、デュルケム、ジンメルの3人の巨匠が登場した。

ウェーバーは、近代社会の歴史の根底にある理念を「合理性」に見た。経営組織、政治組織、都市、法、宗教も次第に合理化されていく姿を近代化の一般的趨勢として捉えた。

M. ウェーバーの「社会的行為」とは

学校指定のテキストによると、ウェーバーは

1人ないし2人以上の行為者の考えている意味が他の人びとの行動と関係をもち、その過程とこれに左右されるような行為、そして他の人びとの過去や現在の行動あるいは未来に予測される行動へ向けられる行為

と社会的行為と定義した。

簡単に言うと、「他の個人、もしくは集団になんらかの影響を及ぼすような意識的、もしくは無意識的な行為のこと」(精選版 日本国語大辞典)。

『社会的行為の定義は行為者を固定して説明しているが、行為者の意味が相手に志向しているので、相手の立場からみると同じことがいえる。すなわち社会医的行為は相互行為ないしは社会的相互作用とみなすことができる。相互行為は言語とその発生的な形態(身振り)すなわちシンボルを通して理解し合うので、過程的かつ動態的行動である。』

ウェーバーは『社会学の根本概念』で次のように述べている。

「社会学」という言葉は、非常に多くの意味で用いられているが、本書においては、社会的行為を解釈によって理解するという方法で社会的行為の過程および結果を因果的に説明しようとする科学を指す。そして、「行為」とは、単数あるいは複数の行為者が主観的な意味を含ませている限りの人間行動を指し、活動が外的であろうと、内的であろうと、放置であろうと、我慢であろうと、それは問うところではない。しかし、「社会的」行為という場合は、単数或いは複数の行為者の考えている意味が他の人々の行動と関係を持ち、その過程がこれに左右されるような行為を指す。

なお、この影響を受けて、T.パーソンズや F.W.ズナニエキは現代社会学のなかに社会的行為を基本概念として導入した。

M. ウェーバーの社会行為の四類型

行為は、観察者からみて動機を解明し、理解できる側面がある。動機の理解とは、行為者の考えている意味連関を観察者が解釈することである。ウェーバーによれば、観察者にとって、複雑で多様な行為の解明にあたってまず設定できる動機とその経過は、効率的な手段で目的を達成する合理的動機である。合理的動機に基づいて、行為が目的達成にとって適合的な手段に志向してなされるとき、目的合理的行為という。次に結果を度外視した行為自体が、倫理的、美的、宗教的などの価値に意識的に志向してなされるとき、その行為を価値合理的行為という。この行為は、固有の価値と行為者の自足性をもつので合理性が認められる。感動や感情に動かされ、現実の気持ちを充足させる行為を感情的行為という。この行為は、身についた習慣によって規定される伝統的行為とともに合理性に欠けるので、理解社会学では軽視されがちな行為であった。しかし最近の社会学の分野において重要度を増している。これらの行為は理念型として分類されており、ウェーバーの社会行為の四類型という。

A評価のレポート例

ブジカエル
私が提出したレポートの評価がAでした。
ご参考になれば幸いです。
完全コピペはダメですよ。

掲載するレポートの評価は以下の通りです。

点数 80点
総合評価 A

項目別評価では、
・課題の理解度 A
・論旨と構成 A
・自己の見解 A

1. 社会的行為とは
M. ウェーバーは社会学を「社会的行為を解釈によって理解するという方法で社会的行為の過程および結果を因果的に説明しようとする科学」とし、社会的行為を「単数或いは複数の行為者の考えている意味が他の人々の行動と関係を持ち、その過程がこれに左右されるような行為」と定義した(1)。この社会的行為を社会学的分析の基礎単位とし、行為の動機の意味を理解することが社会学的研究の根本であるとされている。

2. 社会行為の四類型
ウェーバーは社会的行為を、目的合理的行為、価値合理的行為、感情的行為、伝統的行為の四つの種類に区別した。これを社会行為の四類型と呼ぶ。個人の主観的意味を媒介にして、理念型としての行為の類型を組み合わせ、目的―手段、動機―結果関係の枠組みの中で、歴史的発展や個人を超えた制度組織の構造を内的に明らかにしようとした。
各行為について以下に述べる。

(1) 目的合理的行為
外界の事物の行動および他の人間の行動についてある予想を持ち、この予想を、結果として合理的に追求され考慮される自分の目的のために条件や手段として利用するような行為。
(2) 価値合理的行為
ある行動の独自の絶対的価値(倫理的、美的、宗教的、その他)そのものへの、結果を度外視した、意識的な進行による行為。
(3) 感情的行為
特にエモーショナルな行為で、直接の感情や気分による行為。異常な刺激に対する無思慮な反応であることがある。精神分析で言う昇華は、感情的行為が感情の意識的発散として行われることである。
(4) 伝統的行為
身に付いた習慣による行為で、多くの日常的行為はこの類型に近い。見慣れた刺激に出会った途端に、以前から身に付いている態度のままに生じる無意識の反応に過ぎないことが多い。

ウェーバーによれば、ある一つの方向だけを持つ社会的行為は非常に稀であり、また上記の四類型は行為の種類を網羅した分類ではなく、社会学の目的に合わせて作った概念上の純粋類型に過ぎない。また、現実の行為はこれら純粋類型との間に大小の距離があり、また更に多くの場合はそれらが混合しており、この分類が便利であるかはどうかは結果次第である。
T. パーソンズや F .W. ズナニエキはウェーバーの影響を受け、現代社会学のなかに社会的行為を基本概念として導入した。

3. 考察
経済学や政治学を含め広範囲に及ぶ領域において卓越した業績を残したウェーバーは晩年、論文「社会学の根本概念」において社会学上の重要な諸概念を定義的に明らかにしようと試みた。今回のテーマである社会行為の四類型についても当該論文に記されている。その後、多くの学者により社会学の研究は広がり、かつ深まり、現代に生きる私たちはその恩恵に与ることができる。社会の変化に伴い人の抱える問題が益々多様化、複雑化していく現代において、社会学の知識や社会理論の視点、手法はクライエントやその背景の理解、支援に欠かせない。社会学の諸理論を、支援の中で意識して活用できるソーシャルワーカーでありたい。

評者コメントから

学問のやり方を研究する学問=方法論で、理念型はそのひとつ。
この理念型の代表が、本課題の「行為の四類型」。
「行為の四類型」のそれぞれについてよく整理されているという評価でした。

さらに、ウェーバーの「支配の三類型」を整理して、理念型の考え方を使えるようになればなおよしだそうです。

ウェーバーや同時代のデュルケムの理論などは国家試験にもよく出題されているので、レポートが終わっても、中身を覚えておけるとよいということのようです。

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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