こんにちは、ブジカエルです。
2023年2月に社会福祉士国家試験に合格したので、2023年3月に精神保健福祉士養成短期コースに申し込みました。
その学習についての記録です。
この記事では、スクーリングの6日目、精神保健の課題と支援について。
レポートの課題を確認
先に、スクーリング6日目のレポート課題を確認しておきます。
課題は、講義についての「感想・役に立ったこと」を1,000字で記載するというもの。
全部見終えてから1000文字書くのは大変そうなので、動画を視聴しながら、頭に浮かぶことを随時メモしていきます。
箇条書きでOK。
講義の後で、この箇条書きを整理+足したり引いたりすれば、レポートの出来上がり。
講義の内容
テキストからピックアップ
中央法規当該科目テキスト(第3版)の中から、恐らく重用なのであろう用語等について。
事例と論点
- 統合失調症 妄想、妄想に伴う問題行動、周囲の対処について
- 統合失調症 物質依存との関連
- 統合失調症 社会参加について
- うつ病
- 自殺
- 第 2 次大戦の敗戦で日本人が受けた心理的外傷体験と 洗脳について
- アルコール依存
- 発達障害
- 薬物依存
- 認知症
- ひきこもり
8/14、動画を見終えたのでレポートに取り掛かります。
8/14、案外ささっと書き終えたので、次のスクーリング動画視聴に取り掛かります。
合格レポート
提出して、合格となったレポートを掲載します。
ご参考になれば幸いです。
丸写しはダメですよ。
感想は、「講義の内容が濃い」、「一つ一つの事例が重い」ということだ。
私は中学校の頃より精神疾患に、高校の頃より社会問題に関心を寄せるようになった。そのため、40代半ばにしてそれまでの仕事(メディア制作・マーケティング)と全く異なる障害福祉の領域で仕事を始めたにしては、精神保健の課題に関する知識をそれなりに蓄えてきた自負がある。しかし、鹿島先生が精神科医の視点で事例を丁寧に読み解いてくださると、独習で理解するよりもはるかに重く感じる。
私の勤務先は精神障害者に○○サービスを提供する事業所で、利用者は現在○名だ。たった○名だが、彼らに真に寄り添い必要とされる支援を行うには、支援方法の引き出しが自分にもっとずっと多く必要であると日々感じる。それもあって多くの事例を知りたく、精神保健福祉士の試験を終えたら事例集等での学びを進めていこうと考えている。また、独習の他にも色々な人の視点が加わる事例検討会や勉強会にも積極的に参加していくつもりだ。医療機関での実習がないので医療機関でボランティア活動を行う等、経験を積み重ねる機会を業務以外でも積極的に作っていきたいと、講義を通して改めて思った。
役に立ったことは、鹿島先生がお話しになったこと全部だが、中でも「第2次大戦の敗戦で日本人が受けた心理的外傷体験と洗脳について」は私の目から鱗を落とした。NHKスペシャル「決断なき 原爆投下 ~米大統領 71年目の真実~」は視聴したし、近世から日清・日露の戦争を経て満州事変~敗戦に至るまでの経緯についてはそれなりに注目して理解しようとしてきたが、精神医学の視点を得て展開される歴史の解釈には視界が大きく開かれた思いである。優れた指導者に教えを請いながら、今後も学びを継続していきたいと改めて思った。
問題は、今後どこで何を学び追究していくかということだ。私は学卒以後、地球上の生物の幸福全般に関わるテーマに広く関心を寄せてきた。最近は、精神保健福祉士の試験後には関心事の照準を絞り、研究領域が近い指導者のもとで学び始めることを考えている。このタイミングで、今回のスクーリング動画視聴を通して精神保健の課題を体系的に学べたのは本当に良い機会だった。勤務先での業務の中で感じる課題(施設コンフリクト、偏見・スティグマ、社会的排除、社会的ひきこもり、ライフ・クライシス、家族関係)を中心に、研究対象を絞っていきたい。
講師講評
【精神保健の課題と支援 講評】
感想を拝見し、精神保健福祉士を志す受講者の熱意がとてもよく伝わってきた。資料としてマスコミの記事を使用していたことで、精神疾患や精神医療について具体的に学ぶことができ、受講者の理解を深められたという意見が多くみられた。今後も精神疾患や医療に関するマスコミの記事を読む際には、自らの体験や知識を踏まえながら批判的に吟味して頂けば幸いである。日常のそういった態度によってこそ自らの専門性を深め、視野を広げ得るからである。今回の記事の中でも受講者の関心が際立っていたのは、病識に欠いており、長期にわたり興奮に伴う暴力行為が見られ、自宅での生活が困難で、最終的に父親から殺害された統合失調症の女性の例であった。記事にあるケースの両親は、医療に助けを求めながらも、精神医療の枠組みから締め出され、孤立を強いられていた。そういったケースに計り知れない同情を寄せ、現代の社会的な支援の枠組みに対して、割り切れない思いを強める方が多くおられたことは、日々の仕事において、スタッフの精神保健福祉士と共に、様々な処遇困難なケースについてよりよい支援を追求しようと議論をし続けている一精神科医として、とても心強い限りである。さらに、受講者の関心を引いていたのは、引きこもりの記事であった。精神疾患ではないものの、社会参加を拒み、自宅にこもって孤立し続ける引きこもりの増加は、物質的な豊かさが実現される中、民主主義の普及に伴い、個人の生き方の自由と多様性が尊重される現代社会の構造が背景にある独特な社会問題である。現代社会は、社会参加や労働を拒む一部の人々との共生を可能としており、現時点にあっても、その解決の方向性すら全く見えてこない。もちろん元々何らかの精神疾患があり、社会参加を望みながらもそれが困難な患者さんについては医療的な支援と関わりが必要で、有効でもあろうが、明らかな精神疾患がなく、ひきこもりが個人の価値観やパーソナリティに結びついている場合には、解決は極めて難しいものとなっている。長期にわたってひきこもる当人が周囲が望むような一般的な「解決」を望まないからである。そういった方たちに精神医療者が何ができるのか、そういった方たちと社会とのさらに望ましい「共生」の形は何なのかを考えようとする受講者の意欲はとても頼もしいものであった。精神科医である講師は毎日のようにクリニックを受診されるひきこもりの方やそのご家族と、望ましい共同生活の形は何かを話しあっているからである。もっとも引きこもっておられる当人は家族の勧めで通院していることがほとんどで、自らのひきこもりの生活に批判的になったり、悩んだりする様子に乏しく、通院にも余り意義を感じていないように見えることも少なくない。その逆にご家族は社会参加に向け、ほとんど動こうとしない当人の将来のことを憂い、日々不安を募らせており、ご家族から見る当人の「問題」解決に向けて、望ましい接し方や利用できる医療制度や施設などについて私に相談を求め続けることが常である。また、少なくない受講者が心動かされていたと伝えてくれていたのは、先の大戦での敗戦に伴う日本人の心理的外傷体験、及びアメリカ占領下における占領軍による日本人に対する洗脳工作ともいえる思想統制が、戦争そのものや、アメリカによる日本への原爆投下についての理解や見方を含め、それまでの日本人の価値観を根本的に変化させ、現在に至っているという資料であった。極めて深刻な心理的外傷体験を受けた人間は、その苦痛を和らげるために、何らかの心理的な合理化を必要とするものである。現在を生きる日本人である受講者のそれぞれが自分自身の内面に、70年以上も前に日本人全員が被った破滅的な心理的外傷体験とそれに伴って日本人が受け入れざるを得なかった合理化の影響の存在を感じ取って頂けたのであれば幸いである。一見健康そうに見える人間も、何らかの精神的な病理を持つものである。そういった自覚が目には見えない悩みや障害を抱える患者さんを日々援助する精神医療者には不可欠なのである。