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社会福祉士学習の記録|レポート(16) 第4回(3)『高齢者に対する支援と介護保険制度②』

この記事は、社会福祉士養成課程(通信)の16番目のレポート(科目は「高齢者に対する支援と介護保険制度」)に関することをまとめたものです。

以下の記事にまとめた手順に沿ってレポートを作成する準備を進めました。

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目次

レポートは2択

レポートの課題は、以下の2つから選べました。

(a) 高齢者虐待の実態と「高齢者虐待防止法」に基づく対応について述べなさい。
※高齢者虐待防止法とは「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(平成十七年法律第百二十四号)のことである。

(b) 「地域包括ケアシステム」について説明し、その実現に向けた課題を述べなさい。

今後の自分の研究課題に、より深く関わりそうな(a)にしました。

レポート作成の手順

毎度恒例、「社会福祉士養成通信課程で提出するレポートとその作成方法について【土台=基礎編】」の「レポート作成の手順」に沿って作業を行っていきます。

テーマ分析

「高齢者虐待の実態と「高齢者虐待防止法」に基づく対応について述べる」というテーマは、どのような内容を期待して設定されたのかを考えます。

また、社会福祉士養成通信課程におけるレポートは、

  • 学習を進めているよ!ということを学校に知らせる
  • こんなふうに理解しているよ!ということを先生に知らせる

ということも目的としていると考えられるため(参考:社会福祉士養成通信課程で提出するレポートの意味)テキストの内容を踏まえつつ、少し発展させたレベル内容も盛り込めるとベターかと思います。

今回のレポートは、

  • 高齢者虐待の実態について、テキストや行政の発表をもとに述べる。新聞等メディアの報道も入れられるのであれば入れる。
  • 「高齢者虐待防止法」に基づいて、高齢者虐待に対してどのような対応をしているのか述べる。
  • 自分の考察

以上3点が端的にしっかり書けていれば、及第点はもらえると思われます。

材料を集める

レポートを書くにあたって必要な材料を集めます。

学校指定のテキストの中や、テキストに出てきた資料から主に材料を探します。

材料を集める

私の所属する学校指定のテキスト205ページに「高齢者虐待の実態」という項目名で記載がありました。

高齢者虐待防止法施行以降、厚生労働省は毎年「高齢者虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」を公表していて、虐待事件の傾向を知ることができます。

厚生労働省:高齢者虐待防止

高齢者虐待の実態

高齢者虐待相談・通報件数等一覧が、私の手元のテキストでは2016年まであるので、それ以後を作成しました。

養護者によるもの 相談・通報に対する虐待判断と判断する割合 養介護施設従事者等によるもの 相談・通報に対する虐待判断と判断する割合
虐待判断件数 相談・通報件数 虐待判断件数 相談・通報件数
2017(平成29) 17,078 30,040 56.9 510 1,898 26.8
2018(平成30) 17,249 32,231 53.5 621 2,187 28.4
2019(令和元) 16,928 34,057 49.7 644 2,267 28.4
2020(令和2)

以下、令和元年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」から、最近の高齢者虐待の状況をピックアップします。

件数

調査対象年度(平成 31 年 4 月 1 日から令和 2 年 3 月 31 日)において、

  • 養介護施設従事者等による虐待:相談・通報件数は2,267 件、虐待判断件数は 644 件で、いずれも過去最多
  • 養護者による虐待:相談・通報件数は 34,057 件で過去最多、虐待判断件数は 16,928 件で前年度からは微減したものの、高止まりの傾向が続いている

虐待の発生要因

  • 養介護施設従事者等による虐待:「教育・知識・介護技術等に関する問題」が 366 件(56.8%)で最も多く、次いで「職員のストレスや感情コントロールの問題」が 170 件(26.4%)、「虐待を助長する組織風土や職員間の関係の悪さ、管理体制等」が 132 件(20.5%)、「人員不足や人員配置の問題及び関連する多忙さ」が 81 件(12.6%)。
  • 養護者による虐待:虐待者の「性格や人格(に基づく言動)」が 9,178 件(54.2%)、被虐待者の「認知症の症状」が 9,037 件(53.4%)、虐待者の「介護疲れ・介護ストレス」が 8,183 件(48.3%)。

虐待の内容

  • 養介護施設従事者等による虐待:養介護施設従事者等による虐待において特定された被虐待高齢者 1,060 人のうち、虐待の種別では「身体的虐待」が 637 人(60.1%)で最も多く、次いで「心理的虐待」309 人(29.2%)、「介護等放棄」212 人(20.0%)。
    ・被虐待高齢者 1,060 人のうち、「身体拘束あり」は 277 人(26.1%)
    ・虐待の程度(深刻度)では、5 段階評価で最も軽い「深刻度 1」(生命・身体・生活への影響や本人意思の無視等)が 593 人(55.9%)である一方、最も重い「深刻度 5」(生命・身体・生活に関する重大な危険)は 26 人(2.5%)。
    ・養介護施設従事者等による虐待における死亡事例は 4 件。
  • 養護者による虐待:養護者による虐待において特定された被虐待高齢者 17,427 人のうち、虐待の種別では「身体的虐待」が 11,702 人(67.1%)で最も多く、次いで「心理的虐待」が 6,874 人(39.4%)、「介護等放棄」が 3,421 人(19.6%)、「経済的虐待」が 2,997 人(17.2%)
    ・虐待の程度(深刻度)の割合は、5 段階評価で「深刻度 3」(生命・身体・生活に著しい影響)が 5,966 人(34.2%)と最も多く、次いで「深刻度 1」(生命・身体・生活への影響や本人意思の無視等)が 5,293 人(30.4%)であった。一方、最も重い「深刻度 5」(生命・身体・生活に関する重大な危険)は 1,330 人(7.6%)

被虐待高齢者の状況

  • 養介護施設従事者等による虐待:被虐待高齢者 1,060 人のうち、「女性」が 741 人(69.9%)を占め、年齢は「85~89歳」が 249 人(23.5%)、「90~94 歳」が 206 人(19.4%)であった。また、要介護度3 以上の者が 803 人(75.8%)、被虐待高齢者の認知症日常生活自立度Ⅱ以上の者が804 人(75.8%)、要介護認定者のうち障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)A以上の者が 610 人(57.5%)。
  • 養護者による虐待:被虐待高齢者 17,427 人のうち、「女性」が 13,111 人(75.2%)を占め、年齢では「80~84 歳」が 4,093 人(23.5%)、「75~79 歳」が 3,727 人(21.4%)であった。要介護認定の状況は、「認定済み」が 11,847 人(68.0%)であり、要介護別の内訳は「要介護 1」が 3,046 人(25.7%)、「要介護 2」が 2,568 人(21.7%)、「要介護 3 以上」が4,446 人(37.5%)であった。また、要介護認定者における認知症高齢者の日常生活自
    立度Ⅱ以上は 8,614 人(72.7%)、要介護認定者のうち障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)A 以上は 8,303 人(70.1%)。

「高齢者虐待防止法」に基づく対応

e-Gov:高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律

法律に基づく対応については、まずは当該法律を知る必要があります。

とはいえ、法律だとわかりにくいこともたくさん・・・ということで、当該法施行と同時に作成され後に改訂された、「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について」(厚生労働省作成)も参考にします。

厚生労働省:市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について

主に上記2つから、レポートに盛り込めそうな内容をピックアップします。

当該法の概要

  • 「高齢者虐待防止法」では、高齢者の権利利益の擁護に資することを目的に、高齢者虐待の防止とともに高齢者虐待の早期発見・早期対応の施策を、国及び地方公共団体の公的責務のもとで促進することとしている。(第1条 目的)
  • 国民全般に高齢者虐待に係る通報義務等を課し、福祉・医療関係者に高齢者虐待の早期発見等への協力を求めるとともに、市町村における相談・通報体制の整備、事実確認や被虐待高齢者の保護に係る権限の付与、養護者への支援措置、養介護施設の業務又は養介護事業の適正な運営を確保するための関係法令に基づく市町村(特別区を含む。以下同じ。)、都道府県の適切な権限行使等について定めている。

高齢者虐待等の防止に向けた基本的視点

1)発生予防から、虐待を受けた高齢者の生活の安定までの、継続的な支援

2)高齢者自身の意思の尊重、尊厳の保持、権利利益擁護

3)虐待を未然に防ぐための積極的なアプローチ

4)虐待の早期発見・早期対応

5)高齢者本人とともに養護者を支援する

各主体の責務、役割

高齢者虐待防止法では、高齢者虐待の防止、高齢者虐待を受けた高齢者の迅速かつ適切な保護及び適切な養護者に対する支援を行うため、国及び地方公共団体、国民、高齢者の福祉に業務上又は職務上関係のある団体及び従事者等に対する責務が規定されている。

高齢者虐待の事例分析を行い、虐待への適切な対応方法や養護の方法その他必要な事項についての調査研究を行わなければならないこととされている(第 26 条)。

都道府県

■養護者による高齢者虐待について(第 19 条)
①市町村が行う措置の実施に関し、市町村間の連絡調整、市町村に対する情報の提供その他必要な援助
②必要があると認められるとき、市町村に対して必要な助言

■養介護施設従事者等による高齢者虐待について
①高齢者虐待の防止及び被害高齢者の保護を図るための老人福祉法又は介護保険法に規定する権限の適切な行使(第 24 条)
②養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況、対応措置等の公表(第 25 条)

上記は法に定められているもので、各都道府県独自の取り組みもある。

市町村

高齢者虐待防止法では、高齢者虐待の防止、高齢者虐待を受けた高齢者の迅速かつ適切な保護及び適切な養護者に対する支援について、市町村が第一義的に責任を持つ役割を担うことが規定されている。

市町村についてはたくさん規定されている。
その他、独自の取り組みもある。

市町村の役割として重要なことの1つに、高齢者虐待防止ネットワークの構築がある。高齢者虐待の防止や早期発見、虐待を受けた高齢者や養護者に対する適切な支援を行うために、関係機関や民間団体との連携協力体制を整備することとされている(第 16 条)。

「早期発見・見守りネットワーク」
「保健医療福祉サービス介入ネットワーク」
「関係専門機関介入支援ネットワーク」

これら3つの機能が役割を分担し、連携して対応する事によって高齢者虐待を防止したり、問題が深刻化する前に高齢者や養護者・家族に対する適切な支援を行うことが可能になると考えられている。

国民の責務

国民は、高齢者虐待の防止、養護者に対する支援等の重要性に関する理解を深めるとともに、国又は地方公共団体が講ずる高齢者虐待の防止、養護者に対する支援等のための施策に協力するよう努めなければならない(第4条)。

特に、保健・医療・福祉関係者(高齢者の福祉に業務上又は職務上関係のある者)は、高齢者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、高齢者虐待の早期発見に努めなければならない。また、国及び地方公共団体が講ずる高齢者虐待の防止のための啓発活動及び高齢者虐待を受けた高齢者の保護のための施策に協力するよう努める必要がある(第5条)。

養介護施設の設置者、養介護事業者は、従事者に対する研修の実施のほか、利用者や家族からの苦情処理体制の整備その他従事者等による高齢者虐待の防止のための措置を講じなければならない(第 20 条)。また、養介護施設従事者等に対しては、養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した際には、速やかにこれを市町村に通報しなければならないとあり、通報が義務として定められている(第 21 条第1項)。

(つづく)

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者地域移行支援施設の生活支援員。国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学9年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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