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社会福祉士学習の記録|レポート(22) 第5回(4)『権利擁護と成年後見制度』

レポート課題に取り組むカエルのイラスト

この記事は、社会福祉士養成課程(通信)の22番目のレポート(科目は「権利擁護と成年後見制度」)に関することをまとめたものです。

以下の記事にまとめた手順に沿ってレポートを作成する準備を進めました。

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目次

レポートは2択

レポートの課題は、以下の2つから選べました。

(a) 成年後見制度と日常生活自立支援事業の相違点を理解し、そのメリット・デメリットについて述べなさい。

(b) 成年後見制度利用促進法に示された方向性と成年後見制度に関する今後の課題について述べなさい。

最初、(a)を選んで材料を集め始めたのですが、途中で(b)にしました。

レポート作成の手順

毎度恒例、「社会福祉士養成通信課程で提出するレポートとその作成方法について【土台=基礎編】」の「レポート作成の手順」に沿って作業を行っていきます。

テーマ分析

「成年後見制度利用促進法に示された方向性と成年後見制度に関する今後の課題について述べる」というテーマが、どのような内容を期待して設定されたのかを考えます。

また、社会福祉士養成通信課程におけるレポートは、

  • 学習を進めているよ!ということを学校に知らせる
  • こんなふうに理解しているよ!ということを先生に知らせる

ということも目的としていると考えられるため(参考:社会福祉士養成通信課程で提出するレポートの意味)テキストの内容を踏まえつつ、少し発展させたレベル内容も盛り込めるとベターかと思います。

今回のレポートは、

  • 成年後見制度利用促進法に示された方向性
  • 成年後見制度に関する今後の課題
  • 成年後見制度と成年後見制度利用促進法について、特に方向性と今後の課題についての考察、自分の考え

以上3点が端的にしっかり書けていれば(=本質的なところが押さえてあれば)、及第点はもらえるでしょう。

材料を集める

レポートを書くにあたって必要な材料を集めます。

学校指定のテキストの中や、テキストに出てきた資料から主に材料を探します。

材料を集める

成年後見制度利用促進法に示された方向性

参考

成年後見制度の理念(第三条)

  1. ノーマライゼーション
  2. 自己決定権の尊重
  3. 身上の保護の重視

【方向性】(第十一条)

  1. 保佐及び補助の制度の利用を促進する方策の検討
  2. 成年被後見人等の権利制限に係る制度の見直し
  3. 成年被後見人等の医療等に係る意思決定が困難な者への支援等の検討
  4. 成年被後見人等の死亡後における成年後見人等の事務の範囲の見直し
  5. 任意後見制度の積極的な活用
  6. 国民に対する周知等

◆ 地域の需要に対応した成年後見制度の利用の促進(第十一条の七~九)

  1. 地域住民の需要に応じた利用の促進
  2. 地域において成年後見人等となる人材の確保
  3. 成年後見等実施機関の活動に対する支援

◆ 成年後見制度の利用に関する体制の整備(第十一条の十~十一)

  1. 関係機関等における体制の充実強化
  2. 関係機関等の相互の緊密な連携の確保

成年後見制度に関する今後の課題

東京大学教育学研究科生涯学習論研究室+地域後見推進センター:地域後見推進プロジェクト

上記リンク先サイトに、複数の課題についてかなりわかりやすくまとめられています。

とはいえ、レポートを書く段階で丸写しと思われるような記述をすると評価は下がるし、自分の理解促進にもつながらないので、自分でも課題だと思うことについてきちんと腑に落とし、自分の表現で書くようにします。

地域住民の需要に応じた利用の促進

厚生労働省:成年後見制度利用促進のページに以下の記載があります。

認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより財産の管理や日常生活等に支障がある人たちを社会全体で支え合うことが、高齢社会における喫緊の課題であり、かつ、共生社会の実現に資することです。しかし、成年後見制度はこれらの人たちを支える重要な手段であるにもかかわらず十分に利用されていません。

2020年12月時点において、成年後見制度を利用している人は約23万人(裁判所:成年後見関係事件の概況―令和2年1月~12月―)。

でも潜在的な後見ニーズはもっとずっとあるのでは。

「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」によれば、2020年時点で認知症患者は600万人程度と推定される。

内閣府「平成30年版障害者白書」によれば知的障害者(知的障害児を含む。以下同じ。)108万2千人、精神障害者392万4千人となっている(図表1参照)。

十分に利用されないのは、何が問題か?
使いにくい制度なのか?
認知度が低いからか?

国民生活センター:家族や周囲の“見守り”と“気づき”が大切-認知症等高齢者の消費者トラブルが過去最高に!!-

消費者庁:高齢者・障がい者に関する消費者問題の現状と見守りネットワークの有効性について

成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律

S評価のレポート例

ブジカエル
私が提出したレポートの評価がSでした。
模範解答にも選ばれました。
ご参考になれば幸いです。
完全コピペはダメですよ。

掲載するレポートの評価は以下の通りです。

点数 90点
総合評価 S

項目別評価では、
・課題の理解度 S
・論旨と構成 A
・自己の見解 S

1. 方向性
成年後見制度の利用の促進に関する法律が2016年に制定された。成年後見制度が十分に利用されていないことに鑑みて、その利用の促進について基本理念(第3条)を定め、国の責務(第4条)と地方公共団体の責務(第5条)を明らかにし、基本方針(第11条)を定めている。
第1条に定められた目的には、高齢社会において共生社会を実現するべきであることが述べられており、目指すべき社会が明確に示された。また、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより財産の管理又は日常生活等に支障がある人を社会全体で支え合うことが課題として述べられ、そのために成年後見制度の利用を計画的に促進するという大きな方向性が読み取れる。
また、関係者の努力(第6条)と国民の努力(第7条)、関係機関等の相互の連携(第8条)が定められており、連携してこの制度の利用促進に協力し、共生社会の実現に努めることが国民に求められている。

2. 今後の課題
国内には認知症の人だけでも昨年時点で約600万人いるとみられるが(1)、成年後見の利用者は昨年末現在で約23万人にとどまる。また、知的障害児・者は108万2千人、精神障害者は392万4千人いて(2)、この全員が成年後見制度の利用対象とはならないまでも、制度利用対象と想定されている人の中の相当数が利用していないことが考えられる。
成年後見制度の利用が進まない要因としては、制度の使い勝手の悪さや認知度が上がらないことなど様々なものがあり、課題は山積している。中でも、政府が普及の鍵と位置付けている中核機関の設置が、政府の目標より大幅に遅れていることは大きな課題の一つだろう。
相談を受け利用に向けた調整を担う中核機関を置く市区町村が、2022年3月までの見込み分を含めても半数強にとどまる。自治体からは「人材確保が難しい」「制度活用のイメージがわかない」といった声が出ており、理解が広がっていない様子が伺える(3)。都道府県別では長野、岐阜、鳥取、山口、香川、宮崎の6県が80%以上だった一方、宮城、大阪、奈良、佐賀、沖縄の5府県は20%未満だった(3)。都道府県が積極的に動いている地域では、市町村の課題意識も高くなり、地域連携ネットワークづくりが広がっていく傾向があるという(4)。
制度の認知度を高め、かつ制度の利用がスムーズに進められるように、各都道府県にはエリア全体の施策の推進や国との連携確保等において主導的役割を果たし、中核機関の設置を促進することが期待される。

3. 考察
制度の利用を推進する上で、中核機関の設置は特に重要なことであると思われたので今後の課題として取り上げたが、本制度の利用が進まない背景には、禁治産制度に対する印象やかつて禁治産者とされた人に対する偏見、認知症患者や障害者に対する偏見や人権意識の低さなどもあるのではないだろうか。ソーシャルワーカーとしては、権利擁護の必要な方々を一人の人間としてその意思や尊厳を尊重して支援しつつ、制度の正しい理解やその普及、人権尊重意識を高めるといった社会変革にも努めたい。

評者コメントから

成年後見制度利用促進法に関して、法の示す内容、課題に関して、詳述できているということでした。

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この記事を書いた人

このブログを運営しているブジカエル、カエル好きですがカエルにはあまり詳しくありません。精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士、社会福祉士、国家資格キャリアコンサルタント。旅好き、学び好き、放送大学12年目のマルチポテンシャライト。科学的な幸福の研究に興味津々なポジティブ心理学実践インストラクター。健康管理好き、2013年に健康管理士、食生活アドバイザー3級&2級を取得。
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